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ものの見方は、ひとそれぞれ。
大きな船を、碇でつなぐのは
流されないため。
危険から守ってくれているので
リサの気持ちが前向きなら
苦労をさせないように守ってくれてありがとう、と
おじいちゃんや、国鉄を支えてきてくれた
人の気持ちに
感謝こそすれ、鬱陶しいとは
思わないはずだけど
それは、もちろん、気分の問題で
人間だから、そうそう理屈で動けない時だってあるのだ。
神様だって、そうかもしれないけれど(笑)。
そんなリサを、電話のコールが呼ぶ。
「いまどこ?」と
呼ぶのは、Naomiだった。
気持ちはわかる。
どこかへ行っちゃいたい、って思うような
18歳の秋。
もう、子供みたいにしていられる時期も
終り。
でも、もうすこし
こうしていたい。
「あ、Naomi、いまね、波止場にいるの。
船見てる。」と。
その落ち着いた声で
リサの安全を気にしていた
Naomiの緊張は解ける。




