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めぐは、気づいていないけれど
友達を助けるために、使う魔法だけど
みんなのためになる。
正義のヒロインなんて、ニガテだけど
友達のためだったら、魔法使うのも悪くないと
そんなふうにめぐは思った。
めんどいのはニガテだけど(笑)。
線路の外で列車のおそうじを見ていたら
黄色いヘルメットに作業服のおじさんが
「嬢ちゃん、中はいんな」と言って
作業員の詰め所に誘った。
いいのかなぁ、と思ったし
ちょっと怖い(笑)ような気持もあったけど
おばちゃんもいっぱいいたので、その笑顔に誘われた。
「どっから来た?」とか聞くおばちゃん。
「Westbarryです」と、めぐが答えると
「あんな遠くからぁ。旅?」と、別のおばちゃんが。
「友達を探して....。」と、めぐは、リサのおじさんが
Northstarの車掌で、ここに来ていると言うと
ヘルメットのおじさんは「ああ、あの。Bluemorris車掌区の専務さん。
今、列車にいるんじゃないかな。」と、いくつも停まっている編成のひとつを
指差して。
「おじさんに会いに?」と、さっきのおばちゃん。
「いえ、叔父様は親友のリサ、の、で。あたしはリサを探しに。」と
めぐは、それだけ言う。
ここに来なかったのだろうか?
と、それも聞きたかった。
黄色いヘルメットのおじさんは、日焼けの顔で
「リサちゃんは、家出でもしたの?」と、心配そうに。
そんなことまで話すつもりはなかったけど、でも
国鉄のひとなら、大丈夫かな、と思って
入社後、就学支援で大学に行くつもりで、でも
民営化でそれがなくなるかもしれない、と
リサは気にして。
おじいちゃんのお墓参りにBluemorrisへ、と。
そこまで言うと、ヘルメットのおじさんは
「嬢ちゃん、大丈夫。国鉄はなくならないさ。
そっか、リサちゃんってあの、機関車乗りの。」と
おじいちゃんの名前を口にした。
「おじさん、知ってるんですか?」と、めぐが言うと
黄色いヘルメットのおじさんは、にっこり笑って
白い歯を見せた。
「わたしも、時々入れ替えでね、Upperfieldからここまで
ご一緒した事があってね。いやぁ、あの人は立派な人だったね。」と
おじさんは回想。
「Bluemorrisで駅長に、って話を断ってまで機関車一筋で。
その後、こっちに来てからもUpperfieldの駅長を薦められても
機関車にずっと乗り続けた。
名誉駅長って、写真が飾ってあるよ。Upperfieldの駅に」と
おじさんは、遠い夕空に光る一番星を眺めて、そう言った。
「あ、そろそろNorthstarの整備が終わる頃だ。おじさんも来るよ」と
列車の方を見て。




