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もちろん、神様には神様の視点があるし

ひとにはひとの、猫には猫の視点がある。



それぞれに、それぞれの視点に沿って

行動する事が幸せなのだ。



神様の視点に沿って、ひとが生きたから

それが、ひとにとって、幸せとは限らない。


つまり、ひとの生とは


生命が発生して以来の、生命が生き延びて来た

記憶が、それを培う為ののもので


幸せとは、その生を育くむ時に起こる

感情なのである。



つまり、生命のない神様や、天使が

高級な訳でもなく、上等な訳でもない。


視点が違うだけなので


ひとには理解できない、視点の基準が

あるのだろう。






「おはよ」めぐは、目覚め


夢の中であった事を、ほとんど忘れて

爽やかに起きる。



いつものように学校に行って、友達と

残り少なくなった高校の一日を過ごすのだ。











「おはようございます」と、クリスタさんは

丁寧にご挨拶。





めぐと、同じ歳(?)のはずだけど

物腰も柔らかで、おとなしい。



なんとなく、顔立ちも似ているような感じだけど。





夏休みの間だけ、クリスタさんに

図書館の仕事を代わってもらってた、めぐだけど



そのまま、めぐが学校に行っている間

クリスタさんが図書館にアルバイト、なんて

そんな感じになっている。



ここで暮らすには、やっぱり天使さんと

言っても


おこづかいくらいはあったほうがいいし(笑)


そんな訳で、昼間

クリスタさんは楽しそうに

図書館に行っている(笑)



元天使さんにしてみれば、人々が喜んで

くれる事をするのは


使命。



自らの生はないけれど、世界のために

なる事をするのが

天使のお仕事。



いまは、地上に降りた天使、クリスタさん。



がんばっている。

「いってきまーす」と元気に

めぐは、学校へ。



クリスタさんは、図書館へ。



ちょっと、今朝の夢見は

二人とも良くなかったけど。




爽やかな秋風と一緒に

歩いて、坂道を下る。




路面電車の通りまで来て

駅の方へゆくクリスタさんと

学校の丘へむかう、めぐと。




今朝、めぐは

なんとなく、駆けて行きたい気分だったから


路面電車にも、スクールバスにも乗らず。


歩道を駆けて言った。


靴音、軽やか。


めぐの高校は制服がないから

こんな時、靴が痛まないでいい。





ジョギングシューズで駆けていく

女子高生は、ちょっとめずらしいけど(笑)


陸上部でもなんでもない、図書委員の

めぐ(笑)

でも、運動は大好きだ。



いつもなら、学校のテニスコートに

リサの姿があって。



おはよ、って挨拶するのが日課。




今朝はでも、見当たらないその姿。




「おっかしーなぁ」と、めぐは

走りながら思う。





「めぐ、めぐーぅ、待って」と、スクールバスから降りた女の子が声を掛けた。





「あ、れーみぃ、どしたの?」と

めぐは、れーみぃの雰囲気に異変を感じる。




「国会がねぇ」と、れーみぃは意外な

事を言うので


めぐは笑う。




「笑ってる場合じゃないの!リサがね、

特待生、ダメかもしれないの!」と

れーみぃは、真面目な顔で言うので



めぐは、びっくり。


それで、テニスコートにリサの姿が無かった。




「でも、国会とつながんないよ」と、めぐが言うと



れーみぃは、かいつまんで話す。



この国の国鉄は、もちろん国家予算で動いている。




その予算、来年の予算を国会で

作っていて



国鉄を、他の国みたいに

民営化したらどうか、と言う意見が出て。




それで、特待生、と言う制度は

民営化したら続かない、と



そんな話。




「そんなぁ!今更」と、めぐは憤慨する。



でも、税金を払っている人達からすれば

そのお金で、大学へ行く人達がいるのは

ちょっと、勿体ないと思う人達も

いるかもしれない。



税金を払う人達が、みんな大学へ行ける

訳でもないから、で



それはもっともな事だけれど。

公平にしよう。


それは、めぐにも理解できる。


客観的なので、例えるなら神様の視点。


でも。



「特待生が無駄だと思わない。これからの

国鉄を支えるんじゃない。」と、めぐは思う。



それも、もうひとつの見解だ。

国の為の鉄道だから、国が人を教育するのは

国の為。



「そうよね、わたしもそう思う」と、れーみぃは言った。



それは、ひとりの視点。



いろんなひとの視点を持ってきて、折り合うのが

政治。





「鉄道だけじゃなくて、郵便局もね

民営化しようって言うの」と、れーみぃは


まだ決まってないけど、といいながら

でも、不条理な事、と心で思っているようだ。



「どうしていきなり?」と、めぐは

れーみぃに聞く。

すると、


「国のサービスだから、これまでは

あまり、利益の事は考えなくて。



でも、外国のお金持ちがね、他の国は

みんな、民営化して儲けているから


真似して儲けよう、って考えて。



この国の政治に、働き掛けているらしいの」と

れーみぃは言った。






「関係ないじゃない!よその国で儲けようなんて」と、めぐは怒る。





もちろん、商売の事ではなくて

それで、友人リサの前途が怪しくなるから

怒っている。



人間らしい視点である。




そこで、めぐは思い出す。

魔法使いルーフィ」と、神様が

以前、この国の人々の過剰な欲望を


神経内分泌的な手法で、粛正した事を。






よその国までは、手が回らないらしい。






しかし、この国が主体的に国鉄や郵便局を

国営で維持すると決めればいいのだ。





特待生は無駄じゃない事を

証明すれば、民営化がどうであれ




リサは、大学へ行ける。







「そのリサは、どこにいるの?」と、めぐは

大切な事に気づいた。






社会に出る事で、リサの運命が

そんな、大人の都合で左右されてしまって。




かわいそう。





どこにいるの?

リサだけじゃなくって、Naomiの

就職先、郵便局まで


どうして、よその国の

お金儲けの犠牲にならないといけないの??




と、めぐは思った。




れーみぃは「どこの国も、建国の頃は

鉄道とか、郵便局とか、電話とか、電気とか。


そういうものを国が作って。


それは、結構大きな資産なので

よその国のお金儲けに狙われるのね、

法律を変えて、民間の会社にして


よその国が、それを買い取るとか」そういう

事があるらしい。





でも、だからって。


リサやNaomiの来年を、犠牲にしないで。




めぐはそう思う。



でも、その前に気になるのは、リサの事。





めぐは、リサへ電話してみた。




Call!。




あっさり、ラインはつながった。


拍子抜け(笑)。





「ああ、めぐ?なに?


ああ、民営化の話?新聞で見た。

でも、すぐにって話じゃなさそうみたい。



それよっか、特待生制度が無駄だって


国会で言われてて。



国鉄じゃないけど、官僚もね、海外留学を

国のお金で行ってて。


帰って来ると、官僚辞めたりするので

それで、問題になったらしいの。



留学が。



だから、国鉄でも、って


そんな話みたい。



でも、元々国鉄のお金で

大学行こうって、ちょっと図々しかったもの(笑)。



仕方ないよ。




あたし、ちょっと出掛けてくるつもり。



これからどうするか考える。



うん、北のね、おじさんのとこ。


bluemorrisの。


おじいちゃんのお墓もあるし。




じゃね」と



リサは、案外さっぱりとした声だったけど。





でも、かえってそれが心配。


めぐは、電話を切って、れーみぃに

それを伝える。




れーみぃは「なんで今、旅するのかしら。


北の、お墓?



なんとなく、心配。」と

れーみぃはそれだけ言って。





大学諦めたって、今頃就職なんて

もう出来ないし。



まさか、おじいちゃんにお別れっを言いに。




と、めぐは悪い想像をした。


(笑)。

リサのおじいちゃんは、北の国境近くの

寒いところの出身。

今、おじさんの住んでいるところ、bluemorris。



そこに、お墓があって

おじいちゃんの兄弟が、お寺を構えている。



リサのお父さんが、南のこの地westbarryに自動車会社でエンジニアをするので


引っ越してきたのだけど




でも、死んだら魂は

その故郷に戻りたいと



そんな事を言っていて、それで

お墓はbluemorrisに構えたらしい。




国鉄職員は、その生涯を

転勤で終えるので



本当の出生は、bluemorrisではなく

rockmountainあたりらしいけれど。




そんな、流れて者人生を送ってまでも

鉄道に一生を捧げる、そういう人達が居て


今の、国鉄の繁栄がある。




出来上がってしまってから、外国の

お金儲けに使われるのは、さぞや無念だろう。





そんな理由でも、やっぱり


民営化の後、外国資本が入るのは

良くないと




そんなふうに、思う人達も多い。





郵便局も同じで、国民の資本を

信用で集めてきた。



それを、外国に左右されるのは

やっぱり良くない事だと


そう思う人達も多かったけど




民営化の向こうに、外国人の思惑があると

気づく人も少なかった。









とりあえず、国費の無駄遣いと言う矛先が



その、国鉄の特待生、留学制度に

向けられてしまった。

なにか変。


そう、めぐは感じている。


これまで、この国の政治家たちは

魔法使いルーフィ

の、神経内分泌回路選択型再吸収阻害魔法(笑)

のおかげで、この国の安全を最優先に

考えていたはず。



なのに、一時はルーフィの身そのものも

危うくなったし

魔法の能力を今は失って、元の世界に

戻ってしまったり。




何か、見えざる敵が

この国の前途に立ち塞がり



外国人たちの欲望を煽っているかのようだ。




神様も、気づいているのだろうか?







そう思いつつ、今は親友リサが心配で



とりあえず、リサのお家、お母さんに電話をしてみる。





「突然すみません、あの、めぐですけど、

リサちゃんの行方、ご存知ではないですか?」と



尋ねる。




リサの母親は、少し高ぶった声で



「たぶん、北に行ったのね。

リサの伯父が、今夜、夜行の乗務で

bluemorrisに戻るの。

始発駅のupperfieldに行ったのかしら」と。




車掌区が、好きで

よく行っていたから、と言う事らしい。





「じゃ、行ってみます!」と、めぐは


電話を切ろうとすると、電話の向こうから

気をつけて、と言う言葉が戻ってきた。





こんな時こそ、魔法を使わないと

魔法使いの沽券に関わると

思った訳でもないが

(笑)


めぐは、魔法を解放し、一気に空中へ飛ぶ。



F=mgh m=0



重力から解放されて、地球の自転に伴う

慣性から緩やかに解かれ



舞い上がる。



きょうは、月が近い。


質量を増やす過程で、月の引力も

影響に入ったりする。


0次元モデルを3次元に戻す間の僅かな時間に


得たエネルギーで、首都、upperfieldの


北へのターミナル駅、頭端ホームの

重厚な駅の真上に、ふわり、降り立った。


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