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なのに、退職寸前に

突然、気が変わったりするのは


やっぱり、そういう季節なのだろう。




「でも、お父さんも病気になってしまったし、ミシェルの進学もあるから。」と


リサは、やっぱり進学を諦めようかと考えた。





めぐは、図書館のアルバイトをしながら

司書資格を取るつもりだったし


カレッジに行った子が、奨学金を貰った、と言う

話も聞いてたので





「ねえ、リサ、奨学金貰えば?」と



言って見る。




学校でも、そろそろ進路の決定の時期なので

面談の時、先生にめぐは聞いて見る。





「先生!奨学金って貰えますか?」



おばあちゃん先生は、いきなり、なので

面食らう(笑)。






面談をしている、放課後の教室は

静か。




だーれもいない。


そこに、めぐの声が響いて(笑)。




先生の丸眼鏡に、大きな瞳が見開かれて(笑)。




でも、柔和に微笑み、先生は



「貰えるわよ。でも、あなたのお家、そんなに困ってたのかしら。」どちらかと言うと、裕福なほうの

めぐの家だったから。



そういう人には、貰えない事になっている。





先生は、なお続ける。「お父さんが公務員だったり、公共事業に勤めてると、会社から借りれるわよ。

公務員共済、と言うのがあって。


先生のお父さんも教師だったから。


それで、大学に言ったの。」と、にこにこ。





「それだ!」めぐは叫ぶので

また、先生がどっきり(笑)。





「先生、ありがとうございます!」と

めぐはぺこりと頭を下げて。



面談の途中なのに、教室を飛び出して行った(笑)。




あらあら......と、先生は

にこにこしながら。



「リサちゃんの事かしら。仲良しっていいわね。」と


めぐの飛び出して行った後を瞳で追った。








廊下を駆けていって、めぐは



「リサー、どこぉ?」と


あちこち探し回った。




テニスコートじゃない?と

れーみぃが言う。




いつもの、ベレー帽に長い髪。




でも、どしたの?と


れーみぃは、きょとん。





「いい事、いい事!」と

めぐは、テニスコートへと駆けて行った。










テニスコートでリサは

ボールを拾いながら。


いろいろ考えていた。




結局、お金が要る時に

子供の自分には、どうしようもない事もあったりする。



路面電車も、いいけどね。




チャレンジできるなら、できるところまで。




そういう気持ちはある。







「リサー、リサぁ!」と

めぐは、リサの姿を見つけて


全速力。


何も、急がなくてもいいんだけど(笑)。




「あのね、おじいちゃんとこで

奨学金借りれるって。先生が。」と、めぐは

朗報を告げた。



永年勤続のおじいちゃんなので。







「本当?」リサは、喜ぶ。



それは、めぐも喜ぶ。


魔法もなにも使わないけど、友情って、ある種魔法のようだ。




こんなに、喜んで貰えるんだもの。

めぐは、そんなふうに。



ともだち



リサに、生き生きとした笑顔が戻る。



めぐも、笑顔になれる。自然に。




不思議だけれども、赤ちゃんの頃から

笑顔って、嬉しくて


いつも、笑顔でいたいと思ったり。

誰かを笑顔にしたいと思ったり。



表情のひとつにすぎないのに


なんで、笑顔って惹かれるのかな、と

めぐは思う。






その、笑顔のふたりに



さっき、校舎で会った


Naomiと、れーみぃも

テニスコートに追い掛けてきて。



「なんか、いーことあったのぉ」とか(笑)。




「リサが、大学行けるの。」と、めぐが言うと


リサは「試験に受かればね(笑)」と

ユーモアたっぷり。




みんな、笑う。


Naomiも、れーみぃも、いい笑顔。






リサのおじいちゃんが


天国へいってしまった事は

みんな知ってたから


て。






「そんな事、あったんだ。」



と、Naomiは驚いて。




それで、ふと気づくれーみぃ。



「警察学校みたいな、鉄道学校、ってないの?

そこなら、月謝安いとか。」お巡りさんになるつもりのれーみぃ。



面白い発想(笑)。








早速、みんなで図書室へ行って。


進学ガイド、なんて言う


電話帳みたいな本を

みんなで見て。





そこには。





ー企業の中には、学習支援制度のあるところもありますー





の、一文。





「ほらほら、これこれ。」と、れーみぃ。






警察みたいに、独自の教育が必要なところは

警察学校があったり。




自動車会社には、自動車大学が。




国鉄には、鉄道学校も。






「すごいね、れーみぃ。ビンゴ!」と


Naomiはれーみぃの感覚を讃えた。






めぐは、別の一文を見つける。






国鉄や、行政、専売、電話とかの

国有企業、ほか、大きな企業には


就職後、大学に進めるところもあります。




社員に教養を付ける意図で



通常、数年程度勤務すれば

奨学金の返済義務はない場合が多い。





「これ、いいんじゃない?」と

めぐは、大きな声になったので(笑)。

「静かにしないと、図書委員めぐさん」と


Naomiはクールに言うので


あ、いけない、とめぐは口を抑えたので



みんなで笑い、

尚更、迷惑


になってしまったり(笑)。




でも、ちょっとくらいいいよね。


友達の大事な事だもん。







屋上に出て、国鉄に電話を掛けてみた。




厳めしいおじさんが電話に出るのかと

めぐは緊張して。




「あ、あの、すみません」と

電話口で恐縮。




でも、広報のお姉さんは

柔和で綺麗な、優しい声。





「はい、その制度は

一般採用枠とは別の

特別選抜試験が行われます。




合格なさった方は、大学で

学習を進める事ができます」





なんと、学校に通いながら給料も

貰える、との事に

めぐは仰天した(笑)。






調べてみるもんだ。






元々、国家公務員の

制度として有ったもので



国鉄職員の能力向上の為に、準用した、との事。




本来は、鉄道技術の学校とか

線路建築の技術を付ける為の

制度、だとか。



でも今は、それだけに留まっていない、との事。



「聞いてみるもんだねぇ」と、Naomiは

お姉さんっぽい口調で。


「おばさんっぽい」と、リサは笑う。


リサに笑顔が戻ってきたのは、Naomiも、れーみぃも


そして、めぐも嬉しい。




おじいちゃんがいなくなってから、思いつめてたもん。

そう、めぐは思い、そして


ともだちのために魔法を使ったこと、それで

未来を変えてしまう事に、ためらいはなかった。





ーーー結構、危ない選択なのだけど(笑)。




それで、多重次元宇宙、10の500乗あるうちのひとつと

共有結合、ドメイン・メソッドを作ったのだけど。


そういう事が増えると、世の中が複雑になってしまう。





でも、他に方法は無かった。





「正しい選択」が、「納得する選択」とは限らない。

魔法使いめぐとしては。

















「でも、特別選抜試験ってなんだろうね」と、れーみぃ。



「先生も教えてくれなかったし。」と、リサ。




一般入試の他に、そういうものがあるなら

学校から、国鉄への推薦枠を使わなくて済むから

クラスメートの推薦枠が減る心配はないから


リサとしては有難い話。




「まあ、試験難しいんだろね。」と.....。




願書は、国鉄本社へ直接用紙を取りに行って

自分で出すのだそうだ。




この町から、国鉄本社がある首都までは

列車で100kmくらい。


そんなに遠くはないから、次の土曜にでも

みんなで行って来よう、なんて話になって。



そうなると、遊び気分の4人(笑)。



「ディズニーランド行こうよ」とか。

「シーサイドリゾート」とか。


「ビール園」とか(これこれ笑)。



ビール園、って言ったのはNaomiで


「いやーぁ、オヤジぎゃーるー」って、れーみぃは笑う。


みんなも笑った。




(未成年の飲酒はいけません。作者。笑)。



....ま、ノンアルコールもあるか。



ジンギスカンで黒ビール、なんてのも

ロシアの方ならありそう。






girls talk



次の土曜も、いいお天気。


めぐと、仲良し4人で

ディズニーランド(笑)じゃなくて。


リサの、入学願書を取りに

国鉄本社まで小旅行。だった。


「郵便で送ってくれればいいのにね」と

郵便屋さんが好きな、Naomiは、そんなふうに、言う。




ここは、駅。路面電車の終点の、坂の麓にある


国鉄の駅。



改札口は、駅職員さんが

切符をみるための、ステンレスのラッチが作られていて。



待合室はその右手。





左手に、切符窓口と



昔ながらの作り。




リサは、何やら紙片を窓口に出して、切符を

貰って来た。




「なにそれ?」と


めぐが尋ねると



「切符引き替え券なの。国鉄本社に用事がある、って言うとね、

国民の為だから、って


切符貰えるの。」




「そんなの知らなかった。」と

れーみぃはびっくり。




めぐも、驚く。



「フランスとか、イギリスもそうなのかしら」と、リサに尋ねてみると




「たぶん、そうなんじゃない?


郵便だって、郵便局への願書はそうでしょ?」と



Naomiに、リサは聞く。




「うん、確かそうだった。」と。




郵便局へ願書を取りに行くと、スタンプを押してくれて。



その紙を封筒にして送るんだった。





「それもすごいけど、列車がただ、なんて

すごいねー。


わたしたちのも?」と、れーみぃはにこにこ。




「さすがに、そこまではねぇ(笑)」



と、リサ。


付き添いは家族だけらしい。




「そっかー、残念。」と


めぐはにこにこ。苦笑い(笑)。




「めぐは、いいじゃない。

ミシェルと結婚すれば、家族!」と

Naomiは楽しそう。





めぐは、恥ずかしくなった。



「へんな事言わないでよ」と。





「あれ?ミシェルって、リサの弟の?」と

Naomi。




れーみぃは「そうそう。めぐに恋しちゃってるんだって。」と



楽しそう、うらやましい、って感じで。




めぐは、その話題を打ち消す(笑)



「そういえば、郵便局も、国鉄も、

なんで願書を取りに来させるの?」と

さっきの疑問。




「それが、最初の試験なんだって。


事前面接、みたいなものね。


へんな人には渡さない、って事らしい。


」と、リサ。続けて、




「国鉄も、郵便局も信用が大事なところだから。


親戚に国鉄職員がいたりすると、入りやすいとか」と




面白い事を言った。




「縁故か。まあ、それもあるかな。

銀行とかもそうだって。

」と、Naomi。




実際、お金を扱ったり、人を載せたり。


そういうところは、信用が一番で



学校の勉強、成績よりも人柄とか、

欠席が少ないか、とか。




やっぱり、社内に親戚が多い人のほうが

会社も安心らしい。





「なーるほどぉ」と、めぐが頷く。




「あ、そろそろ列車くるよ」と




リサは、上りの普通電車が来るのを示す

時刻表示のメッセージボード、掲示板を示した。



Super Express



「スーパー・エクスプレスで行かないの?」って、Naomiは、子供っぽく笑う。



「近いもの」と、リサは、にこにこしながら。




スーパーエクスプレスは、時速300kmで走る

飛行機みたいな特急列車。

でも、100kmかそこらに行くにはちょっともったいない(笑)。




「普通切符しかくれないの?と、れーみぃも


列車を待ちながら。


長い髪が、列車の風に吹かれて。




右手で、それを抑えて。






うん、と頷きながら、リサは



「だって、近いもん。

遠くの人は、寝台列車の券とか

くれるんだって。」と。




「いいなー、夜行列車乗れるんだ。


オリエント急行みたいの?と




めぐは喜ぶ。




ふつうのよ、とリサはさすがに、詳しい。





オリエント急行は、豪華に旅を楽しむ列車だけど


さすがに、100kmでは短い。




遠い、国境に近い町からでも


豪華列車を無料で乗れるほど、国鉄も

豊かではないらしい(笑)。





ふつうの、とは言っても

個室寝台にも乗れる切符だそうだ。




電車が近づいてくる。





銀のボディは、お日様の光に輝いている。


ステンレス・スチール。




お台所の流し、みたいなピカピカのボディ。


傷が目立たないように、最初から細かいラインを金属の表面に付けている。


ヘアライン仕上げ、と言うらしいけれど。



いかにも実用的で、機能的な

日常に使う列車のボディに似合う。



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