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そのリサの気持ちが伝わったのだろう、
列車は、レールの安全点検が済んで
ゆっくり動きだした。
簡単に、安全点検と言っても
駅から駅まで、人が歩いて点検するのであるから
大変な人と手間が掛かる。
でも、みんなの為に
厭わず、それをするのが
保線、と言う人達である。
レールが、地震に堪えたか?
橋やトンネルは?
それを、夜中にも関わらず
点検して歩くのは、普通誰でも嫌だと思う。
けれど、その人達は
お金の為でも、名誉の為でもなく
黙々と作業するのである。
損得で言えば、損だ。
でも、レールを
守るのは愛である。
ひょっとすると、神様や
天使さんに近い
利益にならない愛である。
国鉄には、そんな人達がたくさん居る。
リサのおじいちゃんも、そのひとりだった。




