河童なんて…いるわけ…ない……アホ………
「どこかかゆいトコないですかー?」
「あ、ああ…気持ちいい…よ…」
…なんだこの状況。
何でおれは河童(仮)に頭を洗われているんだ。
しかもこの河童(仮)野郎、なにちゃっかり椅子確保してんだ。なんで俺が床に座ることになってんだよ。
「…なぁ…」
「はいはいなんですか? あ、耳の後ろがかゆいんですね。ちょっと待って下さいねー」
「いや、そうじゃなくて…あ、そこ気持ちい」
なんだかんだいって、この河童(仮)は頭を洗うのがうまい。話の骨を折られそうになった。
「お前、人間…だよな? 脳みそが無くて手に水かきがついてて皮膚の色が緑だけど、人間だよな?」
「あはは、もー、何言ってるんですかぁ。そんな脳みそが無くて手に水かきがついてて皮膚が緑な人間、居るわけないじゃないですかー。私は河童ですよ。河童。」
何言ってるんだ。当たり前のように人の家の風呂を使う河童なんて、居るわけないだろー。
「証拠にほら、わたし、キュウリが大好きなんです」
どこから出したそのキュウリ。そしてだからなんだって言うんだ俺だってキュウリ大好きだよ!!
「100年もののぬか漬けですよ。食べます?」
…まあ、先ずは風呂からあがることにしようじゃないか。
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ぬか漬け美味しいよね。キューちゃん!
だがしば漬けも捨てがたい。