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文化研究部、卒業危機!

3年生の冬。

文化研究部のだらだら伝説は下級生にも語り継がれ、

もはや学校の都市伝説と化していた。


「……私たち……今年で卒業だよね……?」

「そうだね……」

「ほんとに卒業できるの……?」

「……神のみぞ知る……」


担任からの最後通告。


「いいかお前ら、卒業できる条件はこれだ!」


全科目赤点を取らない


出席日数を埋める


提出物を全部出す


先生にこれ以上迷惑をかけない


「……これ、文化研究部にとっては無理ゲーじゃん……」

「1と2はギリいける。問題は3と4……」

「ていうか4って何……?精神論……?」


卒業に向けた最後の戦い

放課後、部室(まだ秘密結社的に使用中)にて。


「よし、まず提出物をやろう」

「えー、もう寝たい……」

「寝たら卒業できん!!」

「じゃあ寝ながら提出物が出来る技術を開発しよう……」

「お前は黙れ木下ァ!!」


唯一まとも枠の部員が叫ぶ。


「今日だけは真面目にやれ!一人でも落第したら部長も木下も卒業式来れないんだぞ!!」

「え、卒業式って寝に来るんじゃないの……?」

「違うわ!!!」


卒業試験当日

ラストテスト。

教室の空気はピリピリ……しない。

文化研究部だけは相変わらず。


「よし、1問目……名前欄……間違えない……」

「成長したな!!」


木下、奇跡の覚醒。


「……zzz……」

「寝てるやないかい!!」


部長は解答欄に「ありがとう文化研究部」と書いてる。


「お前、感想文じゃねぇからそれ!!」

「心を伝えたくて……」

「答案用紙に感謝するな!!」


卒業式前日

担任からの結果発表。

机の上に並ぶ進級可否の紙。


「全員……全教科……」


息を飲む一同。


「……ギリ……合格だ……」

「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「奇跡起きた!!」

「神様ありがとう!!」

「お前ら神より先生に感謝しろ!!」


こうして、

文化研究部は奇跡の全員卒業を果たすのであった。


卒業式当日、壇上で部長が小声で囁く。


「……社会人になっても……だらだらしようね……」

「当たり前じゃん……」


卒業証書を手にした彼女たちの背中は、

少しだけ大人に、でもやっぱりだらだらしていた――。


卒業できるのか?編・完

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