第四話 深淵の記憶
ジョンは、ロドリゲスの幻影を見た後、混乱と恐怖に包まれていた。
「なぜ…?なぜ、彼らが私の前に現れるんだ?彼らは、私に何を伝えたいんだ?」
ジョンは、戦争の狂気に飲み込まれていくのを感じた。
その日の夜、ジョンは再び眠れなかった。彼は、ロドリゲスとゲリラ兵の幻影のことを考えていた。
「彼らは、私に警告しているのだろうか?この戦争から、早く逃げろと…」
ジョンは、そう考えた。
しかし、ジョンはまだ諦めていなかった。彼は、ロドリゲスの分まで、生き抜いてみせると決意した。
翌日、小隊は再びゲリラ掃討作戦に出発した。ジョンは、ロドリゲスとゲリラ兵の幻影のことを忘れずに、戦うことを誓った。
その時、ジョンは茂みの中に何かを見つけた。
近づいてみると、それは、ロドリゲスの形見のロザリオだった。
ジョンは、ロドリゲスのロザリオを手に取った。
「ロドリゲス…」
ジョンは、ロドリゲスのことを思い出し、悲しみに暮れた。
その時、ジョンは再び気配を感じた。
振り返ると、そこにいたのは、カーク小隊長だった。
「ジョン、どうした?何かあったのか?」
カークは、ジョンに尋ねた。
ジョンは、ロドリゲスとゲリラ兵の幻影を見たことをカークに話した。
カークは、ジョンに言った。
「ジョン、それは…PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状かもしれない」
「PTSD…?」
「ああ。戦争で、凄惨な体験をした兵士たちは、PTSDを発症することがある。幻覚を見たり、悪夢を見たり、精神的に不安定になったりするんだ」
ジョンは、カークの言葉に衝撃を受けた。
「俺も…PTSDなのか…?」
カークは、ジョンに言った。
「ジョン、心配するな。PTSDは、治療できる。軍には、専門のカウンセラーがいる。相談してみるといい」
ジョンは、カークの言葉に少し安心した。
「ありがとうございます、カーク小隊長」
ジョンは、カークに礼を言った。
その日の午後、小隊はゲリラの拠点を発見した。激しい銃撃戦の末、小隊はゲリラの拠点を制圧した。
ジョンは、戦場で生き残るために、戦うことを学んだ。
しかし、ジョンはまだ知らない。この戦争が、彼に更なる試練を与えることを。
第5話に続く