■闇_闇/11/13/01:55■
僧侶ラヘンメからの要請を受け、俺達は居酒屋へ向かっていた。
暗闇の中で歩くためにヤタは灯となる『火ノ玉』を割り箸を振り回しながら操る。お話のお化けとして出てきそうなサイズのものだ。
『火ノ玉』に吸い込まれたイナゴはチリチリと音を立てて瞬時に消し炭となり、まるで小さな太陽のようだったが、イナゴの群れはその明るさをものともしない大群でどうしても視野は悪くなる。
そんなわけで自然と俺を先頭に、ラヘンメ、ヤタ、パリカーと続いた。
『バチバチバチ!!!!』
更にラヘンメの展開する半球状の障壁魔法にイナゴの群れは360度どこからでもぶつかってくる。
「いやぁ〜気持ち悪!?ラヘンメさん!!もっと大きく展開して!?狭いよ〜怖いよ〜!?」
見えない障壁に液体を散らばらせるイナゴに恐怖し、パリカーの精神年齢は幼児化していた。
「す、すみません、この規模を守りながら展開するのは魔力の消費が激しくて」
「やだやだやだやだ!?」
半泣きになるパリカー。気持ちは分からなくも無い、目前でイナゴが爆ぜていく姿や障壁では消せない悪臭はトラウマになりかねない凄惨なものだ。
「ヤタ、その魔法でなんとかならないの?」
俺は無名良品のホウキで地に落ちたイナゴを蹴散らして道を作りながら聞いてみる。
「視界が悪いし、街の中だからこれ以上大きな火は火事を起こすかも…」
「う、うぇぇん」
「今ならパリカーさんが取り乱してたいた気持ち、良くわかります」
「俺も…」
酒場まではさほど距離があるわけではなかったが遅々として進まない。
「悲鳴を上げていた人はどうなったのでしょうか」
「イナゴが気持ち悪くて悲鳴をあげただけかもしれませんよ、引き返します?」
「その判断はまだ早いかな」
「すみません…つい、気をつけます」
ラヘンメの問につい都合よく解釈しようと応えてしまいヤタにたしなめられる。確かに人助けに出たはずだったのに意識が甘かった…。
「あ…」
地面を掃いていたホウキが何かにあたった。
これは靴か?
さらに先に進むと人の服の脱け殻がある。
「気をつけて、この先に衣服が落ちてます」
「ナイナイ、ストップ」
「え?」
衣服の首から上にドクロが転がっていた…。




