■浴場_赤/11/12/??:??■
『ぽちゃん』
「あ…」
音のする足元へと視線を向けると湯船に赤色が広がっていくところだった。
あわてて鼻血の可能性を確認するが、鼻からの出血はみられなかった。
「な、何だ?」
水の中に傷口があると血が止まらずに出血多量で死ぬ。もしかして知らない間にどこか怪我をしているのか?
身体のあちこちを触って確認するが、痛みも無く傷跡は見られなかった。
確認している間にも赤色は広がり色が濃くなっていく。まずい、とにかく浴場から出て確認しよう。
「パ、パリカー、いい加減に」
「いいじゃない、減るもんじゃなし。
3本目なんて普通見られないんだから」
「それより、パ、パリカーのタオルが危ない」
「私はほら、商売道具は見てもらわないとだから。隠してる今がむしろサービスだったりするんだけど」
「パリカーの凶器は隠した方が良い」
「ヤタが1番しっかり見てるよね?」
「…」
俺があわてて浴場から出ようと考えていると二人のキラキラした声が聞こえてきた。
え、ヤタがしっかり見ているのか?
俺はパリカーのタオル姿がまるで『サキュバス』の様に素晴らしい肉付きをしているという事を少しだけ確認している。
パリカーは見せたがりで、俺は紳士な手前遠慮した。
ヤタは拒否しなかったからパリカーはヤタの隣に行った。
俺はヤタが女性の可能性を信じて2人が一緒に居るのは当然と思っていたんだが…ヤタがしっかり見てるとなると話しが変わってくる?
だめだ、こんな事を考えている暇は無いというのに!
今なら二人は俺の事など気にせず二人の世界に入っている。だから俺さえ気を付ければパリカーを見ずに外に出れるはずだ。
「パ、パリカー」
「ヤタ」
ちょっと、そういう変な妄想しちゃう発言やめてもらっていいですか…。
俺は悩み、出るに出れず、煩悩との闘いに疲弊していった…。




