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雨森弥太郎は騒がない〜真夜中に拾った少女〜  作者: 猫背族の黑
第四章『旅立ち』
78/100

■部屋_把握/11/12/17:20■

 俺はヤタから発言に気を付けるよう注意を受けた。これまで騙すつもりで話したことも特に無かったが、誤解をされてもいけないようでなかなか面倒な呪いを自分にかけてしまったな…。


 更に驚いたことに僧侶ラヘンメとの雑談で2時間ほど経っていた。早すぎるだろ…。


「『男に二言は無い』人達は地獄へのリスクしかないの?何か特別な力に目覚めるとか」

「人から信頼される力はあがるかな」

「それだけ?」

「うん、あとは堕天する可能性」

「それはいらないなぁ…。ま、何にせよ俺は俺の言葉に責任を持って生きるよ」

「嘘さえつかなければ良い話、頑張って」

「うん、それでなんだけど、浴場で汗を流さない?

 どうにもベタベタしてて気持ち悪くて」


 今の俺は風呂に入りたい女性の気持ちが誰よりも分かると思える程に汚れていると思う。


 ヤタに嫌な顔をされないのが不思議なくらいだ。


「浴場…」

「お隣の僧侶さんが言うには混浴じゃないって、勇者と入れないって嘆いてたよ」

「それ、ナイナイは敵に存在を知られてないから『僧侶』と仲良くなれたかもしれないけど、私は狙われてる」

「あー…うっかりしてた…」


 物語で良くある『勇者』といえば主人公でヒーローだけど、ここの転生『勇者』と俺達は敵対してるんだった…。


「敵の本拠地に潜り込んでるくらい、私には危険かも」

「あ!でも、今は僧侶さんしか残ってないって言ってたよ」

「どうして?」

「勇者争奪戦だって言ってました。

 勇者様を困らせてる天使とカラスをなんとかしたものが勇者様を独り占めとか何とか」

「ふーん?攻撃手段が無い『僧侶』が置いていかれたのかな?」

「そう思うと女性って色恋になると怖いんですね…」

「男も似たようなものだよ」

「そうですかね?」

「パーティーを競わせている勇者は男だから」

「あぁ…そうでした。まぁ、そういうわけで今なら浴場行けそうじゃないですか?」

「うーん」

「とりあえず俺が先に行きますから、良かったら後ろから確認しながらついてきませんか?」

「わかった」


 やったぞ!

 これでついにヤタの性別問題から解放される!


 俺ははやる気持ちを抑えながらヤタと共に部屋を出た。


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