■街_二人/11/12/15:05■
気分が悪くなったヤタの体調を考え、ヤタをお姫様抱っこして酒場から抜け出した。
「水いりますか?」
「うぅ…いらない、しばらくこのままで」
「わかりました」
パリカーは1人でどこかへ行ってしまったし、ゴンさんは酒場での責任をとって大勢の相手をしている。おそらく二人共朝までコースだ。
酒場を抜け出すまではよかったが、不調のヤタを介抱するにはどうしたものか。俺一人でなんとかできるか?
お姫様抱っこは長時間となると腕がヤバイ。ヤタでこれならパリカーサイズなら持ち上げられない 可能性もありそうだな。
「そちらのお兄さん、宿はもうお決まりですか?」
考えながら歩いていたため景色がまるで見えておらず、小綺麗な若い男の客引きに呼び止められた。
「いえ、まだですけど?」
「見たところ旅のお方でしょう?
お連れ様の具合が悪いのなら今すぐ休憩しませんか?お二人のような高貴な方が泊まれる宿はこの街でもそうありません。お値段は多少しますが、人気の浴場も完備しております。うちの宿を是非オススメしたいのですが」
服装から高貴と思われたのか?確かに『ホールズ』の住民と比べれば良い物を着ている。
「うー…」
ヤタは青い顔をして消え入りそうな声を発した。俺が悩むことでヤタの苦しみを伸ばすわけにはいかない。
このまま地面に寝かせるわけにもいかないし、俺の腕の限界も近い。さらに言えば赤色の効果もいつ切れるか分からない。
「わかりました、どちらの宿になりますか?」
「おお!ありがとうございます!
案内致しますのでついてきて下さい」
俺はヤタと二人で小綺麗な男の後を追った。




