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雨森弥太郎は騒がない〜真夜中に拾った少女〜  作者: 猫背族の黑
第四章『旅立ち』
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■草原_戦/11/12/13:03■

 ヤタの提案により俺はリュックを背負い、リュックの上に座る感じでヤタを再び肩車する。


 俺の顔や手は未だに『赤い3倍』の影響で赤いままなので敵だと思われないようにという意味と、機動力を高めるためだと言われた。


 高い位置だと狙われる心配は無いのか気になったが『勇者パーティー』には弓使いがいないらしい。


 勇者、僧侶、魔法使い、盗賊、これが勇者パーティーの編成とか。


「どのへんまで走ります?」


 この先、死ぬかもしれない戦闘に突入するのは正直生きた心地がしないが『赤い3倍』の影響なのか恐怖をあまり感じない。


 ヤタに軽く問いかけるとまた1つ大きな火柱があがった。距離は50m先あたりなのでかなり熱く感じる。


 慌てて立ち止まりそうになったのを見透かされたようで「止まらないこと」と頭を軽く叩かれる。何だか本当にヤタは場馴れしてる感じがするな…。


「火柱がどこからあがるかわかるんですか?!」

「ある程度見えてる。魔法使いのカン」


 見えてるのか、カンなのかハッキリしてほしいがとにかく戦闘初心者の俺はヤタに言われるままに走るしかない。


「呼びかけ」

「OKアレクサンドリア!タイマー30秒!」

「1.2.3.4―――」


 俺の携帯に電波は届いてないが、タイマー機能を活用する。


「ゴンさーーーん!!いますか!!!

 アレクサンドリアの『30秒』のアラームにあわせてこちらに走って逃げてきて下さい!!!」

「お!おおきに!」


 この返事!!ゴンさんで間違い無さそうだ!!


「ナイナイ、計画通り」

「はい!」


 俺はヤタに聞いていた計画通り動き始める。

 

 敵の『魔法使い』は『ゴンさん』との距離を詰めずに仕留めたい理由があるのか先程から広範囲魔法の『炎柱』を連続使用している。


 ヤタが言うにはゴンさんを中心に敵の『魔法使い』と対峙していて、現在止まっている場所は丁度『炎柱』を使用するぎりぎりの射程あたりらしい。


「15.16.17.18―――」


 俺はさっき炎があがった場所へ向けて20歩前へ進む。


 焦げた大地がよりハッキリと顔を出し、焦げた臭いと引火した生草からの火花がチリチリと心を揺さぶる。


 そんな中で冷静にいられるのはヤタの詠唱が頭上から聞こえているからかもしれない。


 俺はヤタの声に集中する。

 

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