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雨森弥太郎は騒がない〜真夜中に拾った少女〜  作者: 猫背族の黑
第四章『旅立ち』
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■草原_銃声?/11/12/12:55■

『Daaaaaaan‼』


 二度目の大きな音がした、たぶん銃声だ。


「ヤタ、頭を低くして!

 それじゃ狙って下さいって言ってるようなもんだよ?!」


 腰を低くするでもなく様子を伺っていたヤタに注意しながら俺は次々と『梱包』を使用して片付けていく。この作業は10秒とかからなかった。


 形状を無視して片付けられる事のなんと便利なことか。


「俺が双眼鏡で確認するから!」


 立った状態では360度丸見えの遮蔽物(しゃへいぶつ)が無い草原なのだ、遠距離攻撃されてしまうと防ぐ手立ては無い。


「大丈夫、もう見つけた」

「え!?」


 ヤタが指差す方向に視線を移すと、(けむり)が上がっている。いやいや?!どんな戦闘をしてるんだ?!


「な、何がどうなってるかわかるの?」

「魔法使いと誰かが戦ってると思う」

「魔法使い!?」

「ほら、炎の柱」


 100m先あたりに突如出現した炎はこの距離からでも熱を感じる程の熱さだった。


「えぇ!?こ、こんなに熱かったら魔法使いもやられません?」

「十分な距離を取ってると思うよ」

「となると、まだ俺達との距離はあるんですね」


『Daaaaaaan‼』


 三度目の大きな音がする、銃を持ってる人で心当たりがあるのは『ゴンさん』か『トクさん』だが、銃声から考えると『ゴンさん』が戦ってる可能性がある。


 姿が見えないので草に隠れて狙撃しているのかも知れない。


「どうする?

 もし敵が魔法使いなら『勇者パーティー』が来てるかもしれない。そうなると流石の私でも厳しいけど」

「それです!

 コンビニで聞きそびれましたけど、何で『勇者パーティー』が敵なんですか?!」

「そそのかされたんだと思うよ、現実世界に戻れば力は無くなるとか」

「あぁ…」


 一度力を手に入れたら手放せなくなるというあれかな…。ましてや勇者なんて英雄職は気分も良いだろうし…。


『Daaaaaaan‼』


 四度目の大きな音がする、何だかゴンさんが支援を催促(さいそく)しているように聞こえてきた。


「ナイナイ、もしゴンの拳銃なら5発しかない。それにあれは簡単に弾を再装填(リロード)できない」


 ええぃ!なんてややこしい銃を持ってるんだ!ステータスの器用も低かったのだから狙撃したところできっとあたってないはずだ。


「た、助けに行きましょう!」

「わかった」


 いつもの抑揚(よくよう)の無い声がだったが、俺の返事を聞いてヤタは満足そうに微笑んでいた。



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