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雨森弥太郎は騒がない〜真夜中に拾った少女〜  作者: 猫背族の黑
第四章『旅立ち』
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■草原_決意/11/12/12:10■

 俺は偶然にも出会ってまだ半日も経っていない性別不明のヤタガラスと『血の契約』を結んでしまった。


 危険と隣り合わせの厄介事など見て見ぬふりをしたいけど、俺の今までの平和な日常はきっと戻ってこない。


 住んでいた地域は既に大穴を通じて『ホールズ』からの影響を受けてしまったし、何故かバイト先の店長達は天使だった。


 そして俺は今、異常を引き起こした全ての原因となる『ホールズ』に来てしまった。俺の運命は最初から定まっていたと思えるくらいだ。


 今までの世界、家族や友達にはもう会えない。もう決心してとことん先へ進むしか無い。俺の知る世界が銃やモンスターであふれる世界にしないためにも俺はここでヤタに世界を導いてもらうしかない。


 「ヤタ、俺はどうすればヤタの力になれる?」


 俺はヤタを肩車した状態で速度を落とすことなく走りながら聞いてみる。


「とりあえず、お腹が空いたかな…」

「いや、そういうのじゃなくて…」


 俺の決心がどうにも伝わらなかったようで拍子抜けしてしまう。


『GYuuuunn!!』


 頭の上から一際大きなヤタのお腹の音が聞こえた。


「お、お腹が空くと頭も働かないですもんね」

「…そう」


 たぶんヤタは今ので顔を赤らめているだろう。

 出会ってまだ1日も経っていないが、濃密な体験を共有しているからか特別な存在に思えてくる。


「とりあえずご飯にしますか、お昼ですし」

「うん」


 マイペースなヤタを少しずつ理解してきているのも悪い気はしない。


 周りにはやはり何も無いので、俺は立ち止まりお昼の準備を始めることにした。

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