■草原_走/11/12/11:20■
「ファイト、ファイト」
俺は背中に荷物の入ったパンパンに膨れたリュックを背負い、ヤタをお姫様抱っこしながら走っていた。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「まだそんなに時間経ってないけど、辞める?」
「い、いや、まだいけるよ」
ヤタの体重は非力な俺がお姫様抱っこして走れるほど軽いが、いくら軽いとはいえやはり人間1人の重みはそんなに優しいものではなかった。走る振動一歩一歩に圧が加わり、腕がその都度悲鳴をあげていたが男としてのプライドが早々に諦めることを許さなかった。
「関心関心」
「と、ところで…はぁ…この方角で…はぁ…あってるんですか?」
走りながら話すとか無理だ…。声はかすれ声量も小さいが、ヤタは俺の腕の中にいるのでなんとかなっている。
性別不明(男ならショック)
年齢不明(見た目より高年齢そう)
俺がそんなヤタに危険と隣り合わせでもついて行っているのは、何かしらの魅力を感じてなのだろうか。
「なんとなくね、昔から感は良いんだ」
「はぁ…はぁ…はぁ…、か、感…」
「ナイナイに出会って、天使達に引き合わせてもらえてる、JOBのメッセンジャーってどっちのメッセンジャーなんだろうね」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
難しい話は考えられないくらいには疲労が溜まっていた。そういえば眠気覚ましを飲んだとはいえ…あ、あれ、ま、ま、まじか。そういえば本当にやばいくらい寝ていない…。
「ナイナイ、ちょっとあそこで休憩しよう」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
俺はヤタをクローバーのような短い草が密集している場所に下ろすと、そのまま倒れ込んだ。




