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雨森弥太郎は騒がない〜真夜中に拾った少女〜  作者: 猫背族の黑
第四章『旅立ち』
47/100

■?_?/11/12/10:45■


 視界に何かが入ってくる。


 何だ??

 

「う…」 


 気付くと声を漏らしていた、全身も痛い…。


 朦朧もうろうとする意識の中、少しずつ意識がもどってくる。確か俺は…白い光に飲み込まれて?気絶していた?


 何がどうなったんだ?


 目だけ動かして周囲を探っていくと、俺はどうやら仰向けに寝そべっているようだ、空が青い。


 俺の部屋の天井なら良かったのにな…未だに全てが夢であればと思ってしまうが現実はそう甘くないようだった。


 今までの事が現実なら、優先事項は…ヤタ!?


 確か手を握っていたはず、…感触が無い。


「ヤタ!?」


 慌てて叫びながら飛び起きると『きょとん』とした表情のヤタが草原に立っていた。


 コンビニで買ったメイド服姿で場違いに可愛く感じる。なんだ、ここは天国か。


 つい見惚れてしまい次の言葉が出てこない。


「…起きてる?寝坊助ねぼすけさん」

「い、いたのか…無事で良かった。

 あ、あれからどうなったか分かる?

 ゴンさんやトクさんは?」


 叫んで名前を呼んでしまった事も、見惚れてしまった事も恥ずかしくて、すぐに話を変えようとしてしまう。


「多分、空間を裂かれて『ホールズ』に吸い込まれた。ゴンとバーチュースとは離れ離れかな…」

「い、異世界転移って事ですか」

「私の感覚なら『神隠し』だけど…最近の呼び方ならそうかな。それとほら、口調」


 ヤタの年齢は見た目通りではないと思っていたけど、ますます良く分からなくなってきた。


「あ、ご。ごめん。これからどうする?」

「とりあえず見渡す限り何もない草原だから、少しでも高い場所…あの丘を目指そう。もしかしたら二人が見つかるも。そこのリュックお願いね」

「わ、わかった」


 大穴のあちら側の世界『ホールズ』、一体どんな世界なのか。少しだけ冒険を期待してしまう自分がいた。

 

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