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雨森弥太郎は騒がない〜真夜中に拾った少女〜  作者: 猫背族の黑
第三章 『明かされる真実』
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■コンビニ _休憩室11/12/08:25■

 俺とヤタはゴンさんと落ち着いて話すべく休憩室へ向かう。誘致されてできたコンビニだけあってわりと快適な休憩室だと思う。


 テーブル席に俺とヤタは並んで座り、ゴンさんと向かい合った。


!?


 …だめだ、座ると一瞬にして寝落ちしそうだ。俺は眠らない様に両頬を『バチンッ!』と叩いた。


 ゴンさんはそれを見て察したのか「こほん」と咳払いを一つすると立ちあがり、冷蔵庫を開けて何やらゴソゴソやっている。


「まぁ、とりあえずコレでも飲んで」


 ゴンさんは俺にエナジードリンク『赤い3倍』を差し出し、ヤタには『精霊水』を渡していた。


「ありがとうございます、これって新商品ですか?中毒性ヤバそうな見た目してますね」

「眠らなければどうという事は無い、という商品」

「なるほど、では頂きます」


 俺はとにかく眠気を覚まそうと『赤い3倍』を味見せずに一気飲みする。


 口一杯にヌルリとした酸味が広がり、ピリピリと脳を刺激してくる感覚がする。美味しくないし買いたくはな………あ、れ?


 視界が赤く染まっていく!?


「う、うわ」


 思わず情けない声がもれる。


「強烈やろ?すぐおさまるから安心して、眠気も吹き飛ぶで」


 ゴンさんが言うが早いか、赤く染まった視界がクリアになっていくのにあわせて眠気が消えていく。


「な、これヤバいですね」

「魔法使いが作ってる商品やからな」

「ま、魔法使い?」

「そうそう、魔法使い。って、それは置いといて。目が覚めたなら本題に入ろう。その子…何者?」

「ええと」


 俺がどこから話そうかと悩んでいると、ヤタが話し始めた。


「プリンシパリティ」

「たんま、その呼び名はちょっと。ゴンで許して」


 何か黒歴史を思い出すのかやたら苦手な呼び名のようだ。ヤタは反応を見て頷くと話を続ける。


「ゴン、私はャタァㇿ・ガァルァティㇲ」

「え、やた、がらす?」

「そう」


 え、やたがらす?そう聞こえたの?


「な、なぬ!?

 こ、これは失礼しました、お邪魔してます」


 ゴンさんが姿勢を正した!?


 え、それより、やたがらすってあの3本足の?

 確か日本神話に出てくる導きの神だったような。


「気にしなくていいよ、今はそういう時代だし。あと今はナイナイと契約してるから、ヤタでいいよ」

「そうですか?それじゃ、遠慮なく」


 色々と気になるけど、真剣なヤタの横顔を見ると話に割り込める雰囲気ではないな、ひとまず黙って聞いておこう。


「それで、貴方なら『第5のラッパ吹き』を知ってるよね?」

「まぁ、どちらかと言えばうちの担当ですからね」

「最近この辺りに奈落に通じる大穴が開いたのを知らない?」

「あ、あぁーどうだったかなぁ」

「それって昨夜ゴンさんの言ってたやつですか?」

「あ!あれのことかぁ!」


 手を『ポンッ』と鳴らしているが、あからさまにはぐらかそうとしている。


「ラッパ吹きのイナゴがここ最近徘徊しているけど、知らないの?」

「この辺では見かけてないですからね」

「この辺では?」

「あ…」

「あなたは堕天…したいのかな?」


 ヤタは微笑むと『精霊水』と書かれたペットボトルの蓋を開けた。

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