表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雨森弥太郎は騒がない〜真夜中に拾った少女〜  作者: 猫背族の黑
第二章『加速する違和感』
30/100

■コンビニ _試着室11/12/07:45■

 試着室のドアは万引き防止の観点から足元が見える使用になっている。黒色の足先が見えているドアの前に立ち声を掛ける。おそらくヤタだろう。


「何か問題ありました?」


 口調がまた何だか怪しい、知らないうちに緊張しているのかもしれない。


「ちょっと確認して欲しい」


 これは漫画やアニメのデートイベントで良く見るやつじゃないか?こういうシチュエーションを自分が体験する事になるとは…。

 

 俺が馬鹿な期待でドキドキと夢を膨らませていると試着室のドアが開いた。


「これでどうかな?」

「いやぁ…これは…」


 そこにはホワイトブリムを付けて黒のワンピースの上からフリル付きの白エプロンを付けたヤタが立っていた。それに黒の、確かレギンスだったか?タイツとは今は言わないんだったか?女物は良くわからないが、とにかくメイドさん姿をしている。


「メイドさんですか?そんなのありましたっけ…」

「冥土服という戦闘服みたい、ステータスも、なかなか上がる」

「あ、ああ…?え。メイド服ですよね?」

「冥土服だよ?」


 何だかイントネーションが違うような…それにステータスが上がる?こんな薄い服で?


 いや、ステータスはさておき、こういうイベントの時はとにかく褒めないといけないと俺の魂が叫んでいる。今はこのイベントをクリアすることに集中しよう。


「そ、その…か、か、か、可愛い…ですよ」

「うん、知ってる」


 か、関西のノリ…キタヮ…。


 高校時代、関西からきた転校生に勇気を振り絞って話かけ、何事もなかったように返された返事のひとつだ。


 以前体験した時は数日トラウマになったが、今はもう大人…。


「それって寒くないですか?」


 雰囲気ぶち壊しの言葉を繋げた。


「大丈夫、これにナイナイのパーカーを合わせる」


 ウッ!?


 な、なんでだろう、目から汗が。


「し、しかし、パーカーでは風を通しますからコートもあわせましょう」


 俺は目をあわててこすると付近にあった金の刺繍が入った黒のポンチョコートを差し出す、フリーサイズのものだ。


「分かった。――どうかな?」

「良いと思います」


 なんだか流行りの映画に出てきそうな魔法使い姿になった。


 ポンチョを脱いだらメイドさんなんだけど。


「チューッス!」


 その時、来店のチャイムと共に独特の挨拶が聞こえた。


 この挨拶は例の筋肉系店員が出勤した声だ。

 確かゴンさんと入れ代わりのシフトだったはず。

 ちなみにうちは田舎なので基本的にワンオペだったりする。


 それにしても…もう8時なのか…。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ