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雨森弥太郎は騒がない〜真夜中に拾った少女〜  作者: 猫背族の黑
第一章『真夜中の少女』
13/100

■コンビニ_駐車場/11/12/01:50■

 うわぁ、ちょっと何これ…。


 コンビニの自動ドアが開きっぱなしで行列が出来ている。2.30人はいるのではないだろうか?


 これは携帯を取る前にレジ打ちの支援に入るしかないだろう。


「ちょ、ちょっとすみません、ここの店員なんで通してもらえますか?」


 声をかけながら老若男女の間を通り抜けていく。店内もやはり行列で都会の満員電車を彷彿とさせる。


 なんだこの客層、どこかで災害でも起きたのか?


「て、店長、レジ支援入ります」

「あ、雨森!!助かるわ!!」

「何かあったんですかこれ?」

「話すと長くなる!それより電話で応援頼もうとしたらロッカーからバイブ音聞こえてきた時は絶望したで!」

「はは、すみません」


 いやいや、そんだけ話すなら何があったかを話して欲しい。ひとまず携帯はやはりロッカーにあるのは分かったし、客をまずさばこう。


「レジ入ります、お次のお客様こちらへ」


 カゴに入れられたペットボトル飲料やパンをレジに通していく。


「あと、9㎜パラベラム弾下さい」

「え?」

「あー、そこの3番のやつ」


 お客さんがレジ後ろのタバコを陳列している棚を指す。

 なんだ、聞き間違えか、銃弾なんてコンビニに置いてる訳ないじゃないか。


「3番ですね」


 俺は3番に手を伸ばす。


 あ、れ?


 …タバコがない。

 

「そうそう、それであってるよ」

「あ、はい」


 俺は9㎜パラベラム弾の箱を取るとレジを通す。


 ね、年齢確認画面は出ないようだ。


「クレジットで」

「あ、はい、クレジットですね」


 なんだ?え?


「レシートいらないんで」


 客はそう言うと商品のを自前のリュックに詰め込んでいく。


「あ、ありがとうございました。つ、次のお客様」


 カゴの中には食料、簡易的な怪我を治療する傷薬。


「あと308 ウィンチェスター弾を2つ」

「え、え〜と」

「初めての店員さん?13番を2 つお願いします」

「は、い、すみません。13番ですね」


 俺はズシリと重い銃弾をレジで通しながら今までの事が夢だったのではないかと思い始めた。


 それならもう考えなくて良い、あとはもう無になってレジを終わらせてしまおう。


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