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第三話「怪なる鬼神」
第三話「怪なる鬼神」
刻々と深まる霧に体力を奪われていく...
〔雫〕「今まで...はぁ、こんなこと...はぁ...、なかった、のに」
辺りを見渡すが、霧がはれる様子はない。
〔雫〕「とりあえず、原因になってる...神を、探さないと。冷静に...呼吸を整えて...うん、落ち着いた」
その時、霧の中に黒い影が現れた。
その影から現れた神は、体は全身が朱く鋭いツノが二本生え、和服に袖を通したその腕には無数の傷跡がついている。その握り拳には背の高さほどあろうかという刀を持ち重い空気を漂わせる...
〔雫〕「まるで鬼神...」
誰しもが息をのむその姿には覚悟を決める必要がありそうだ、おそらく並大抵の者ならば気を保つことさえ困難だろう。
しかし彼女は神狩りであり、両親が死んだその日から神を狩る決意が揺らいだ事など一度もない。
〔雫〕「ふー...」
また、静かに呼吸を整え刀を構える
〔雫〕「さあ、かかってきなさい!」
鬼神との死に舞の始まりだ。