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第二話「朧雲」
第二話「朧雲」
薄紫の霧が頬を撫でる、夜が来た。
〔雫〕「んん、ぅ~ん」
肩が痛い、昨日の残りだろう。
目を覚ました彼女は居間の刀を手に取り着物に袖を通す、神狩りは霞があれば生きることが出来るから食事は必要がない。
〔雫〕「よし、準備完了!」
今日の足取りは何故か軽かった...
いつも通り狩りは順調だった、いや、いつもより狩ることができたかもしれない。
しかし、それは同時に神が多いことに他ならない。
神の『眼』が鈍っているとはいえ、流石に体力が持たない。
〔雫〕「そろそろ引き時かな」
その時、急に霧が濃くなった。まるで体力が減るのを待っていたかのように...
~数時間後~
〔雫〕「はぁ...はぁ...」
走れど走れど、霧をぬけることがない。
むしろより視界が悪くなるばかりだ。
まだいくらか体力は残っているが、時間はそう掛けたくはない。
しかし、無慈悲にも霧は濃くなり続けるのだった...