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吸血姫  作者: 夜瑠
第一章 吸血鬼
5/29

4. 吸血鬼

3/24:最後の所を少し変えました。

吸血鬼。それは、その名の通り血を吸う鬼とされる存在である。吸血鬼は、この人間の住む大陸から海を挟んだ水平線の向こうにある大陸に生息する。

人間の内では、この大陸全土が人界、吸血鬼や魔法使いが住む大陸が魔界と呼ばれている。

世界が違う訳でも、星が違う訳でもないのだが、今の人間の文明では魔界に行くほどの力も道具もない。無理にでも行こうとしても途中で消息が絶たれるか、辿り着いても何ヵ月かかるかさえ分からない。

そもそも、人間は人界を囲む気の遠くなるほど大きく吸い込まれそうな青い海を渡ろうという発想がない。そんなことをしなくても釣れば魚は大量にとれる上、いくつもに分けられた国にはそれぞれの気候があり、お互いに貿易などで誰もが必要最低限は生計をたてることが出来るようにはなっている。わざわざ肉眼で見えもしない大陸まで行く必要もないのだ。

というように、吸血鬼や魔法使いという存在は誰もが知っているが、実際にいるといわれればどうなのだろうと思うくらいに見ることもなければ実感もない。葉瑠自身も少し歴史と生物の授業で聞いた程度だ。大した知識はない。


しかし、それでもこの少女が吸血鬼と呼ぶには十分な、血を吸われるという行為をされれば実感も未知な生物への少しの恐怖も抱くのは容易なことだ。

その上、姿を変えるなど聞いたこともない。単に教えられていないだけなのか、彼女が特別なのか。


まあ、どうであれ、この少女から色々聞き出さなければ。


その可愛らしい顔には似合わない、冷たく面白いものを見つけたというような歓喜が合わさった不気味な笑みが月明かりに照らされていた。

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