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Ep.5 メリル姉ちゃんの窮地

小説投稿の開始から、初めてブックマーク・ポイントが付きました。嬉しいです。

有難うございます。



「大変だ!メリル姉ちゃんが領主の息子に連れていかれた!」




 

 俺や幼馴染のルルの成人の儀が迫る中、俺が暮らしているアルビス村で事件が起こった。

メリル姉ちゃんとはこの村で一番の美人で有名な人だった。

300人くらいが住むアルビス村で一番なんだからかなりの美人なのにまだ18歳で独身。

弟のケインズがまだ7歳なのでまだ家族と離れる気にならないと本人は言ってるらしい。


 そのケインズが涙目で自警団の待機場所にいた。

俺もこの事を夕方になっていつものように自警団を訪ねて知った。


「クソッ!領主の屑息子がっ!!」


 自警団の副団長をしてるルキール兄ちゃんも怒り心頭だった。待機場所の木の壁を殴りつけていた。


「なんとかメリル姉ちゃん連れ戻せないの?」


 俺はルキール兄ちゃんに尋ねる。


「...この土地の領主をしてるメルドリッヒ家は強引だがメイドとして連れて行った娘には高い給金を払う事で有名だからな。だが...」


 メルドリッヒ家の息子アバンは女癖の悪さで有名らしい。

領主メルドリッヒ家に仕えるメイドは高い給金を払う代わりに夜伽を強要されると言う。断れば無理矢理体を奪い慰み者にされ飽きたら法外な金貨を渡して捨てるとか。

アバンに滅茶苦茶にされた娘の中には娼婦に身を落とす娘までいると言う。


「屑息子の不祥事は全て金を解決してるらしいが、その金も領主が領民に課してる、俺達が納めてる税金から払ってると思うと胸糞わりぃぜ!

 ...それに酷い目にあっても訴える娘が全く出て来ないのは他にも何かされているんだろう」


 ここまで怒っているルキール兄ちゃんを見るのは初めてかもしれない。メリル姉ちゃんは子供の頃からの付き合いらしい。

俺達が暮らしている村もあるブルナーレ王国は5つの領地で構成されている。

王国の直轄地ブルナガーデンを5つの領地が囲んでおり、俺達の村が属しているのはメリーヌ領だ。


 国が各領地に課す税金はそんなに重くないけど、今のメルドリッヒ家がこのメリーヌ領を治めるようになってから国税とは別に更に税金が課せられるようになった。

追加の税金を要求する代わりにメルドリッヒ家は開墾や水車、生活魔導具の提供等、領民の暮らしを便利にする事業を次々と打ち出している。

仕事をする代わりにメルドリッヒ家の私生活の関する噂は派手だった。

現領主はまだまともかもしれないが息子の方はただ女性を喰い物にしてる屑野郎のようだ。


「今の領主には味方も多いから正面切って喧嘩を売るのは無理だ。畜生...」


 立場のある大人が領主に逆らうのは無理なようだ。何かしたらこのアルビス村自体にも領主の報復があるかもしれないんだろう。

まだ7歳のケインズも自分の姉が酷い目に遭うかもしれないという事は理解したようで未だに泣いている。


 自警団の待機場所から出た俺は村の中を歩いていると聞き覚えのある声に話しかけられた。


「ねえ。メリルお姉さんの事、見捨てたりしないわよね?」


 黒髪ロングの幼馴染ルルもメリル姉ちゃんの窮地を知ったようで鋭い目で俺を責めるように問いただす。


「...領主に喧嘩売れってか?」


「...レックの固有能力(ユニークスキル)ならなんとかなるでしょ?」


「ただメリル姉ちゃんを連れ戻すだけじゃまた連れていかれるだけだぞ」


 それを聞いた幼馴染は少し考えてこう言った。





「その領主の屑息子の股間も潰してやらないと駄目かしら?」


どうしてこうなった。俺の幼馴染...



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