表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/36

Ep.3 固有能力『時間編集』の力



「ルル!その話は外でするなよ...」


 黒髪ロングでまあまあ可愛い俺の幼馴染ルルは俺の固有能力(ユニークスキル)『動画編集』について知っていた。

ルルに近づき、小声で注意する俺。


「...別にバレたって時間を遡れるでしょ?」


「俺が遡るのは1日だけだって知ってるだろお前も」


「そうね...そのおかげで私もレックに助けられたわけだし」



 ルルが俺の固有能力(ユニークスキル)『動画編集』について知る事になったのはルルがゴブリンの巣に連れ込まれる事件がきっかけだった。

その時の俺は12歳で攻撃魔法≪炎渦(ファイアスワール)≫を使えるようになったばかりの頃だった。


 ある日、ルルがいないとアルビス村全体で騒ぎになった。

しかし手掛かりも少なく辺りも暗くなり始めていて村の自警団の大人達でも打つ手がないという状況だった。

どうにかルルを助けたいと強く念じた時、俺の固有能力(ユニークスキル)が何故か発動した。

固有能力(ユニークスキル)により時間が止まり、青白くなった空間にはいつもの「動画編集画面」ではなくメッセージが書かれていた。


―――大事な大事な幼馴染のルルちゃんがゴブリン達に襲われているけど助けなくていいの?

ねえいいの?助けなくていいの?...助けなさいよっ!?だからモテないのよっ!??―――


 最後は何故か逆ギレのメッセージだった。あの時のアレは一応神様からの神託、というヤツだったんだろうか?


「助けたいよっ!!!でもどうやってルルの居場所を...今からで間に合うのか?...」


 どうすればルルの居場所まで辿り着けるのかわからない俺は途方に暮れた。


―――今回だけ特別に貴方の固有能力(ユニークスキル)の使い方の一つ教えてあげるからあの子を守るのよ!男の子でしょ!!―――


 何処か母親っぽいメッセージが返ってきた。

次の瞬間、眩しい光に包まれ俺は目を閉じてしまった。

そして気づくと村にいた筈の俺は森の中にいて正にルルがゴブリンの巣に連れ込まれる場面に遭遇していた。



『≪一時停止(STOP)≫』



 すぐに固有能力(ユニークスキル)で時間を止め、ルルをゴブリン達が引き剥がし、時間停止を解除した後、魔法≪炎渦(ファイアスワール)≫をゴブリン達にお見舞いした。



『例え魔物が相手でも時間を止めてる間に攻撃行為はできない』


 これも固有能力(ユニークスキル)の存在に気づいてから割とすぐ気づいた事である。




「ルル大丈夫かっ!?しっかりしろ!」


 すっかり怯えて動けなくなっているルルを抱えてゴブリンの巣から離れようとするも

異変を感じたのか巣から出てきた他のゴブリン達が俺達に向かって迫ってくる。



『≪一時停止(STOP)≫』



 再び時間を止めては見たけど動けなくなっているルルをゴブリン達から守りつつ連れて帰るのは厳しかった。

するとまた時間が止まった青白い空間の中にメッセージが現れる。


―――大事な大事な幼馴染のルルちゃんを仲間にしますか?仲間より彼女が良いですか?―――


「...仲間でお願いします」


 今の状況ではどうにもならないので余計なお世話な神託?のメッセージに従う事にした。


「...ここは?」


 時間が止まった空間の中でルルも動く事ができ、言葉も発していた。

俺の固有能力(ユニークスキル)に驚いてはいたが徐々に落ち着きを取り戻したルルは無事にアルビス村に連れて帰る事が出来た。


 その時驚いたのはルルが村がいないのを俺が知ったのはとっくに陽が沈んだ頃だったのに、ルルを村を連れて帰れた時はまだ太陽の位置も高く明るかった事だ。


 その時に俺の固有能力(ユニークスキル)『動画編集』はただ時間を止めるだけでなく、『≪録画(REC)≫』という言葉を唱えると

その言葉を唱えた時点まで時間を遡れる事を知った。


 ただあの時、ゴブリンの巣まで瞬間移動できたのは正に神様の御業だったようだ。




――――回想はこのくらいにして今日は特に何も無いので目の前の黒髪の幼馴染とも別れて家に帰りたい。


 そんな俺にルルは念を押してくる。





「また魔物が出たら狩りを手伝ってね。特にゴブリンは絶対潰す」


 あの事件以来、俺の幼馴染はすっかり変わってしまった...




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ