表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

君シリーズ

君の頭

作者: 神通百力

君シリーズの五作目です。

 君ってさ、いつも帽子を被っているよね。

 年がら年中、被り続けているね。


 いつ見ても帽子が濡れているから気になるんだよね。

 擦れ合う音がしているのも気になっているんだよね。


 僕も擦れ合う音がしているだって? まぁ、僕は毛むくじゃらだからね。擦れることだってあるさ。と言っても毛むくじゃらなのは年に十数回程度だけどね。

 

 それにチクチクして痛いだって? でも寒い日には暖かくて良いでしょ? まぁ、君は寒い方が好きだろうけどね。暖かすぎると肌が渇いてしまうから。


 獣らしさは良いだって? 獣そのものだけどね。君は肌がツルツルなのが良いところだよ。たまにぬめぬめしているけどね。


 次のデートの時には帽子は被らないでほしいな。どうしてかというと君の頭を覚えていないからだよ。帽子姿の君ばかり見ているからね。


 帽子を被っていなければ君の頭がどんなだったかすぐに分かるからね。

 何を怒っているんだい? 本当に愛しているのかだって? もちろん僕は君を本気で愛しているよ。


 頭を覚えていないのにだって?

 だから、君の頭を思い出すために、次のデートは帽子なしでお願いしたいんだよね。


 今からもう一度デートしようだって? まぁ、いいけど。

 それじゃ、帽子は外してくれるかい?


 ああ、そんな頭をしていたね。

 すっかり忘れていたよ。


 やっぱり君はそっちの方が似合っているね。



 ねぇ、僕の愛しい河童さん。


 ――えぇ、私の愛する狼男さん。

感想頂けると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] まさかの河童と狼。笑 最後の最後で『そうきたか』と。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ