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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
2LDK(51~100)
92/102

『体力テストの部屋』

 体力テスト:体力を測る時間。運動が苦手な者にとっては地獄の時間。

 

「最悪だな……体力テストの日ほど学校を休みたいと思った日はない」


「そうなの? 意外だね、お兄ちゃん。もっと休みたいって思ってそうなのに」


「……出来れば、体育のある日は全て休みたい」


「正直すぎだよ。それじゃあ卒業できないでしょ」



 〇〇〇〇〇〇〇〇



「でも私も苦手だなぁ、体力テスト。握力とかならいいんだけど」


「俺はシャトルランが嫌いだ。あと反復横跳び」


「その二つは確かに……。特にシャトルランなんて拷問に等しいよね」


「ああ。あれはまさしく鬼の所業だ。あの競技を思いついた奴はきっとサディストに違いない」


「それはどうかな? 体力テストに相応しい種目として考えたんじゃないの?」



「馬鹿野郎! 体力テストなんて、インドア派には苦行に変わりないんだよ!! 体力テストに相応しい? ハッ! 体力は簡単に身につくけど、頭の程度はそう簡単に身につかないんだよな、これが。あんな20メートルを何度も何度も往復して身につくことなんて、持久力以外にないだろ!!」



「お兄ちゃん、シャトルランはそれが目的なんだよ?」


「……よし、このお題閉めるか」


「さすがに早すぎるよ!! 文字数少なめの作品だけど少なすぎるよ!!」



 〇〇〇〇〇〇〇〇



「体力テストは、確かに運動好きには有利かもしれないよ? でも学力テストはそうならないもん」


「……学力テストなんて、授業受けてればなんとなく点数とれるだろ。体力テストは、普段から運動してない限りは点数すら取れない」


「た、確かにそうかもしれないけど。それなら運動すればいいんじゃ――」


「運動は面倒だからやらん」


「その心構えが一番の原因だと思うけど……でも、ブレないお兄ちゃん最高!」


「それにな、体力テストはもう一つ厄介なことがある」


「厄介な事?」


「……平均が出てしまうことだ」


「あー……」



「男子と女子で分けて平均を出してしまうが故に、あまりにも握力が低かった時は他の男子に馬鹿にされるんだよ。『お前の握力女子じゃん! あ、こいつと手握ったら女子と手を握ったことになんじゃね?』ってな!」



「重い……もしかして実体験?」


「まあな。どうしてそんな顔で見るんだ?」


「い、いや……聞いちゃいけないこと聞いた気がして。ち、ちなみに握力以外はどうだったの?」


「聞くな。大体想像より酷い」



 〇〇〇〇〇〇〇〇



「平均が出るのって人によっては悪魔のような行為なんだね」


「そうだ。平均ってことは上も下もいるからな」


「そういえば、小学生の頃って足の速い子がモテたりするよね。そして歳を重ねるにつれて顔から収入に移り変わる……ま、私はお兄ちゃん一筋ですけど!」


「運動が評価されることって、確かに多いよな。その分、インドアだと評価される機会に恵まれてないのか」


「大丈夫だよ! お兄ちゃんには私がいるもん!」


「……はぁ、空から美少女が降ってきたり、謎の転校生と学園ファンタジーに巻き込まれたりしないかなぁ」


「お、お兄ちゃん! 現実逃避が過ぎるよ! それに美少女を目の前にしてそういうこと言ってると刺されるよ!?」


「……はっ」


「鼻で笑われた!? で、でも嬉しい……」


「変態だろ」







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