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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
2LDK(51~100)
79/102

『第二第三の部屋』

 第二第三:二番煎じなのか。



『ふははは! この私を倒しても、第二第三の私がお前を必ず……ぐはっ!』



 ブチッ――。


「お兄ちゃん、これってどういう意味なのかな?」


「……」


「お兄ちゃん?」


「意味不明なお題の部屋だと思ってクレームをつけようかと思えば、急にアニメを見せられてるこの状況はなんだ」


「今回は、お題の人からこれを見ろって渡されてたんだよ」


「はぁ……。で、なんだって?」


「第二第三の私ってどういう意味なのかなって。双子とか兄弟って意味?」


「そうだな……この場合だと、主人公を憎む同じ境遇の連中が再び襲い掛かってくるぞって意味だ」



「何その複雑な意味! この数文字にそんな深い意味が……あ、じゃあ私がお兄ちゃんにフラれても、第二第三の私が……ってそれ私じゃないじゃん!」



「何やってんの、お前」



 〇〇〇〇〇〇



「第二第三ってことは、必ずオリジナルがありますよって意味なのかな?」


「どういうことだ?」


「ほら、学校だと第二理科室とか第三○○中学校とかあるでしょ? あれは元を辿ると原型があるってことになるのかな?」


「そりゃあ、理科室も○○中学も存在してるんじゃないか?」


「でもそれだと、やっぱり姉妹校とか仲間みたいな分類になるよね? 第二第三の私……定義が崩れてしまいそうじゃない?」


「まあ、そう言われるとそうかもしれないな。でも、なんとなく悲しくなるな」


「どうして?」


「第二ってことは確実に二番手だろ? 一番手よりも驚きが少なくなると思わないか?」


「んー、お兄ちゃんの理論だと似た境遇の人が主人公に襲い掛かってくるときのセリフになるから……あ、キャラが薄いね!」


「そう。必ず銀メダルってことになる」


「ま、待って。それだと第三は銅メダルってことになるよね!」


「その通りだ。良くできたな」


「わぁい! って、これ馬鹿にされてる奴だ!」



 〇〇〇〇〇〇



「第○~~の○部分に数字を入れれば似たものを作る時には便利だね。わざわざ名前を付けなくてよくなるよ」


「よくわからんな。例えばどうなるんだ?」


「例えば、第二駐車場とか。お店の駐車場は分かりやすいように第二第三って名前分けされてるよ」


「駐車場……成程な。こう考えると、確かに呼びやすいのか。南駐車場とか着た駐車場って記名されていると、店に来た客が困るんだな」


「あ、再現してみる? じゃあ私、奥さんの役ね!!」


「気合入り過ぎだろ……」



 〇〇〇〇〇〇



「あれ? パパ、どこに車停めたか覚えてる?」


「ん? 確か駐車券に書いてあったと思うぞ。ほら」


「あ、ほんとね。南の駐車場って書いてあるわ。あ、あら? でも南の駐車場ってどっちにあるのかしら」


「そりゃあ、南にあるんじゃないのか?」


「だ、だって、この店は三階建てだから南にも三階建ての駐車場があるの。どうしたらいいのかしら」


「ふ、不便だなぁ」



 〇〇〇〇〇〇



「――とまあ、こんな風になるわけだね。いやぁ、やっぱり私とお兄ちゃんが夫婦役を演じると、こう、ジグソーパズルのピースがハマった瞬間みたいに気持ちいいね!」


「ふーん」


「む、無反応……でも大丈夫! 第二第三の私が必ずお兄ちゃんをメロメロに……って、これじゃあ私じゃないよ!!」


「それ、気に入ったのか?」







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