↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
2LDK(51~100)
58/102

『顔出しNGの部屋』

 顔出しNG:顔を出さないこと。理由がある。

 

「顔出しNGか。深い話題が来たな」


「そんなに深くない気がする……」


「何言ってる。顔出しNGは、夢を維持することができるんだぞ」


「(いっつも夢を破壊してるのに、今回は夢を語ってる……レアなお兄ちゃんだ)た、例えば、どういう展開でそうなるの?」


「最たる例は、漫画家だ」


「あ、確かに。漫画家の先生ってだけで、なんか別次元の人って感じするよね」



「そう。それなのに、やたらとテレビに出たがった末に、その作者の漫画を読むと作者の顔が先に出てきて、このキャラクター可愛いけど、あんな作者がニヤニヤしながら描いてるんだなって思った瞬間に、漫画の世界観は崩壊し、読みたいと思う読者が消える」



「……随分と、毒舌だね」


「まあな。その点、顔出しNGの場合、漫画の世界に浸ることができるから、これ以上ない娯楽として成立するんだ」



「これ、特に内容も比例するよね。すごくシリアスでミステリアスな作品だと、描いてる人もきっとミステリアスかなって思いがちだけど、顔出しされて短パンのわんぱく大人だったらショックだもん」



「そうだな。それで顔出しNGだった場合、どうだ?」


「――! 作者の顔を想像する楽しみが増えるね!」


「そういうことだ。これは、漫画の世界だけではない」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「あ、わかった。声優とかも似てるよね」


「そうだ。彼らは最近、やたらと顔面を押し出してる傾向があるが、本来声優とは影の役者。声だけで成立させる仕事に、顔を前面に出してしまえば元も子もないだろう」


「で、でも、それは仕方ないんじゃないかな? ほら、アーティスト活動とかしてる人もいるし」


「だからどうした」


「……怒ってる」


「声優だって、顔出しNGにした方が実力主義になるんじゃないのかって話だよ!」


「いつになく、真剣だね」


「漫画家よりも、声優の顔出しNGの方が面白いだろ」



「そう言われてみると……カッコいい声とか可愛い声を出してる人が、実際にこんな人だって知ってるよりは、どんな人かなって想像した方が面白いね」



「そうだな。……ま、弊害はないわけじゃないけど」


「え?」


「ストーカーが増えそうじゃないか?」


「……確かに。顔見たさが犯行動機になりそう。そんなのが新聞の一面を飾るのは嫌だね」


「でもまあ、顔も知られてなきゃ、ストーキングできないだろうけどな」



「ストーカーを甘く見ちゃ駄目だよ! 奴らはどんな手を使ってでもストーキングをしようとするんだから! 例え顔出ししてなくても突き止めてくるんだよ!

 だってあれだよ? カラスみたいにゴミ捨て場のゴミを漁ってレシートを見つけると、何を買って食べたかメモるんだよ! 外側だけじゃなく、内側の内臓もストーキング対象なんだよ!」



「常軌を逸してるな。……その行動力や熱量を、ぜひ他の所に発揮してほしいものだ」


「うんうん。ストーキングは駄目だよ、絶対」


「……しかし、やけに詳しいな」


「あ、そうだ。今日は好きなドラマが――」


「話を聞こうか? ストーカー予備軍」


「ひええええええええ!!」


「大丈夫だ。お前は捕まっても、まだ未成年だから顔出しNGだぞ」


「最悪の顔出しNGだよ、それ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。