『セカンドシーズンの部屋』
セカンドシーズン:二期。なんでこれが二期やんの?と思える作品も多い。海外ドラマにとっては110メートルハードルでいうところの、二つ目のハードル。
「またしても、お兄ちゃんが腐りそうなネタになってしまった」
「ふ、ふふ腐腐腐腐腐腐腐腐腐!」
「お兄ちゃん、途中から笑い方が腐りきってるよ」
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「思ったんだよ。俺には個性が少なすぎる。こんなんじゃ時代に置いていかれるってな」
「個性が無いと時代に置いていかれるなら、ほとんどの人が取り残されそうだけど……」
「だから、これからは腐ったキャラも追加していこうと思うんだ」
「い、意味わかんないよ。でもでも、普通のお兄ちゃんも見られるんだよね」
「何言ってんだよ。一回憶えたら、止められないものだろ」
「やめて! そのセリフは、何かとあれだから!」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「ま、とりあえず、セカンドシーズンの部屋だったな」
「(情緒が、不安定になってる……)」
「セカンドシーズン、これはよく聞くよな。ドラマとかアニメで常連だ。まあ、海外ドラマはセカンドどころじゃないけど」
「そうだね」
「だが、一つだけ許せないものがある」
「え?」
「これで最後だのラストだの言ってたくせに復活する。あれだけは許せん。ラストなんたらって題名にしたくせに、数年後に復活のなんたらってするのは特に許せん」
「ああ、確かに。最後だから観賞用にブルーレイを買おうってなって、その次の年に第四弾、とか言われると正直言って、もう見る気になれないよね」
「そうだな。最後と割り切って見ていたのに、その続きがあるとか。こんなの、ファンへの裏切りと、大人の欲望が目に見えてわかるから、怒りしかない」
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「映画に漫画に小説……そういうのって、割と多いよね」
「続くパターンにも色々あるだろ。同じ世界観のくせにスピンオフ始めたりとか」
「子供が主人公になるパターン……例を挙げたらキリがないね」
「そうだな……つまり、最後ってフレーズを客寄せに使うのは、どうかと思うわけだ」
「同感」
「……駄洒落か?」
「違うよ! で、でもでも、私達はそう言うの気にしなくていいから、無敵じゃない?」
「ま、最後となったらきっと漢字は『最期』だろうからな」
「それ死ぬやつじゃん! 私達の最終回って死が待ってるの!? 余計なフラグ立てないでよ!」
「オーディエンスの皆様、今日をもって――」
「急激に終わらせないよ!! 反転してセカンドシーズン突入だよ!」
「……そもそも、ファーストシーズンすらやってないだろ」
「ふふっ、それはラスト理論と同じだよ!」
「俺達も同類になってしまうじゃないか」




