『ループの部屋』
ループ:物事が繰り返すことの比喩。
「時間遡行に続いて、ループと来たね。流行街道まっしぐらだね」
「全然うまくないぞ」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「なあ、疑問なんだけど、ループはタイムリープと何が違うんだ?」
「ループは同じ場面の繰り返しだよ。タイムリープと違って、意思に関係ないの」
「随分と詳しいな」
「ふふん。この作品をマーケティングするために、流行のネタは調べてあるからね! そうでもしないと、会話だけの作品が受け入れられるとは思えないもん」
「涙ぐましい努力と悲惨な自白だな……。しかしループとなると、俺達は気づかないんだろ? 対処の使用が無いだろ。この部屋に来ても、何度ループしてるのやら」
「そうだね。でも、お題の人が面白いものくれたよ」
「面白いもの?」
「うん。その名も、ででででん! ループ測定器!」
「なんじゃそりゃ」
「私達の感じ取れない時空の流れを測定し――」
「なんとなく、その先は聞かない方が良さそうだ。知識の乏しさが露呈する」
「そうだね。ま、とにかくこれを使えば、ループが何回してるのかわかるって寸法だよ」
「へぇ。ちなみに、今はゼロなのか?」
「もちろん、ぜ……ろじゃない」
「は?」
「五十二回目らしいよ」
「意味が分からんな。ループの部屋なんて、初めてだろ?」
「ループは意思に関係ないから、記憶は維持できないんだよ。もしかしたら、この台詞も五十二回目かもしれないもん」
「同じ部屋を五十二回も繰り返してるってのか? ……気持ち悪いな。そんなんで人体に悪影響はないのか?」
「それはさすがに……お題の人なら知ってるかな?」
「それもそうか。お題の人! これは一体どうなって――」
「手違いみたいだね」
「は?」
――――――。




