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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
1LDK(1~50)
50/102

『記念日の部屋』

 記念日:説明はいらない。


「お兄ちゃん、お題が五十回目らしいから、今回は記念日の部屋だって」


「そんなにお題をこなした記憶はないんだが……怖いな」


「とにかく、お祝いだよ!」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「しかし、記念日って奴は厄介だよな」


「また否定から入るんだね。お兄ちゃんのスタイルは揺るがないね」


「……なんか、テンション高いな」


「だって記念日だもん! 特別な日でしょ?」


「まあ、誕生日とかだと特別な感じがするよな。でも、記念日は人の数だけ存在していると思わないか?」


「お、思わないけど」


「そうか。やっぱり血は争えないな。兄妹として」


「強引すぎる……」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「というわけで、何でも記念日にしてしまおう」


「どういうこと?」


「記念日の部屋ということもあるから、俺達で勝手に記念日を作ってしまおうという企画だ」


「それ、記念日を作ってる人たちに怒られない?」


「大丈夫だ。あくまでも、個人的で小市民的な自己満足の記念日だからな」


「それ、祝日にならない奴だね」


「誕生日だって国民全員の誕生を祝してたら、誰も働けないだろ」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「――というわけで、まずは俺からだな」


「(なんだかんだいって、お兄ちゃんも結構ノリノリだよね。記念日だからかな?)」



「たった五十回で記念とか抜かしてる奴らを笑う人の為の記念日」



「全く違った!!」


「どうした?」


「いやいやいや、自虐ネタ過ぎるし、多方面に敵を作り過ぎてるよ!」


「そうか……良いと思ったんだけどな」


「思ったんだね」


「それじゃあ、お前はどんな記念日を考えたんだ?」


「え、私?」


「それはほら、お兄ちゃんと一緒にいられるなんて、毎日が記念日みたいなもんだよ。えへ」


「ボツ」


「ええ!?」


「新婚のセリフだろ。それに、そういう奴に限って記念日にうるさい」


「なんか、そんな気がする」


「とりあえず、あれだな」


「え?」


「五十回おめでとう!」


「やっぱりお兄ちゃんも、なんだかんだ嬉しいんだね」



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