『プログラミングの部屋』
プログラミング:コンピューターに指示を与える行為。
「お兄ちゃん、最近はプログラミングが流行だよね」
「そうだな。お子さんの習い事にもプログラミングって増えてるらしいぞ」
「小学校の教科にもなるんでしょ? 時代はIT社会なのかな?」
「なんか、物悲しい感じだな」
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「しかし、こうなると心配なことも増えるだろ」
「心配なこと?」
「プログラミングはアナログかデジタルかで問われると、デジタルだ。そういう思考の子供が増えてしまうと、これから先の未来、町工場や大工みたいな仕事を目指す子供が減ってきて、生活に必ず必要か問われると微妙なITベンチャーみたいな仕事が増えそうだ」
「確かに……そうなっちゃうと、伝統文化とかも失われちゃうかもしれないよね」
「理論の組み立てには役立つけど、もしかしたら落ちこぼれを大量生産するきっかけになってしまうかもしれないし、慎重に過程を見守っていく必要がありそうだな」
「……なんか、やけに今日はアカデミックだね」
「数回に一回はこうしておかないと、ただの馬鹿だと思われそうだろ」
「もう手遅れな気がするよ。ツインテールの部屋とか、色々」
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「細かいことは気にするな。ま、話題を変えて、プログラミングってどうだ?」
「どうって……パソコンカタカタってイメージしかないよ」
「まあ、あながち間違ってないが、プログラミングっていうのは、実は手順の指示みたいなものなんだ。例えば動作を三つ用意して、一つ目は掴む。二つ目は持ち上げる。三つ目は下ろす。とプログラミングした場合、ロボットがリンゴを掴んで持ち上げて下ろす。という一定の動作をしてくれる。指示って意味がわかるだろ?」
「なるほどぉ、人間に例えたら――朝起きてご飯を食べて、学校行って授業を受けて、お昼にお弁当を食べて、放課後は帰ってからお兄ちゃんとイチャイチャする。っていう感じにプログラミングされてるってこと?」
「そうなるけど、それだと死ぬぞ」
「え?」
「トイレに行ってないだろ」
「と、トイレは行かないもん! アイドルがトイレ行かないのとは違うよ? 私は二次元の存在だから、トイレに行かないって言っても支障はないの!」
「二次元の存在って……断言するなよ。一応は生きてんだから」
「断言するよ」
「……まあいい」
「あ、もしかしたら私達って、お題の人にプログラミングされてたりして」
「そんなSFはない」




