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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
1LDK(1~50)
44/102

『観葉植物の部屋』

 観葉植物:室内で育てることを目的とした、観賞用の植物。(例)ベンジャミン


「観葉植物。定食で例えるなら漬物だな」


「お兄ちゃん、開始早々に滅茶苦茶な発言過ぎるよ」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「――というわけで、この殺風景な部屋にも緑が増えたよ」


「今回限定だろ? どうせいつもみたいに、知らないうちに片付いてるんだろ?」


「まあ、そうなるね」


「大体、緑が増えたっていうけど、増えすぎだろ。もはやジャングルみたいになってるぞ」


「まあまあ。これも私達のフィールドならではだよ」


「どういう意味だよ」


「考えてみてよ。もし、もしもだよ? 私達が漫画の住人だとしたら、こんな展開に遭遇するのは極めて低いよ」


「そうか?」



「そうだよ! だって、これだけの葉っぱの描写は面倒だもん! それも開始早々からだから、19ページ漫画だとして、あと十ページ以上は葉っぱの描写があるってことだもん! 絶対に拒否するよ!」



「随分と説得力あるな。確かに、こんなメリハリの無い部屋を漫画にするのは苦行だな」


「ふっふっふ、しかし私達のフィールドだと一言で終わるんだよ!」


「……さっきから、フィールドって何だよ」


「大人の事情だよ」


「……帰る」


「あ、ちょっと! 迷子になっちゃうよ!?」


「うおっ! お前が余計なこと言うから緑増えたぞ!」


「そう。これこそが私達のフィールドだよ! 変幻自在ってことだね!」


「意味わからん……こっちか?」


「あんっ」


「おい、変な声出すな。俺と真反対にいるだろ」



「お兄ちゃん、こういう状況だと葉っぱと間違えてヒロインの身体に触れちゃうのが、王道ラブコメのラッキースケベ展開なんだよ? 例え正反対の位置にいても、次元を超えて触れられたことにしてみせる!」



「冤罪じゃねえか……確か、ここに扉が。あった。……ん?」


 ユウジは扉を開けようとして、後ろに気配を感じた。


 しかし、振り返るよりも先に意識がなくなった。



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