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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
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『机から始まる。の部屋』

 机から始まる。:何かが始まる。


「過去最高に意味不明なお題が来たな」


「えぇと、お題の人から届いた説明書によると、机から始まる物語について論じてみましょう。だって。どういうことかな?」


「……おい、何故か机と椅子があるぞ」


「ホントだ。二つあるね」


「ひとまず、座ってみるか」



〇〇〇〇〇〇〇〇



 二人は席についてみる。


「黒板も無い中、こうやって席についてると不思議な感覚だな」


「うん。それに机から始まる。って言ってもなぁ……あ、そうだ」


「何か思いついたか?」



「ほら、よく恋愛漫画とかであるでしょ? 消しゴムを落として、それを拾った人と始まるラブストーリーだよ!」



「ああ、あれか。全く現実味のない奴だな」


「久しぶりに冷めてるお兄ちゃん、来たね。こっちも大好きだよ」


「第一、消しゴム落して拾ったくらいで恋愛してたら、学生は本分を忘れるだろ」


「そうだね。浮気も多発しそうだよね」



「消しゴムを落としたことによって恋愛に夢中になり、最終的には学力の低下……考えてみると、消しゴムを落とすってことは恋愛漫画じゃ学力低下につながるリスキーな行為なんだな。文房具なのに学力低下を巻き起こすとは、皮肉なもんだ」



「そ、そんなことないと思うけど……でもでも、運命的だよね」


「そうか? たかが消しゴムに運命感じてるようじゃ、まだまだだな」


「じゃあ、お兄ちゃんは机から始まる展開で、どうやったら運命感じるの?」


「そうだな……運命ってのがよくわからないが、この際は目を瞑るとして……机を間違えたりしたら、運命感じるかもしれん」


「お兄ちゃんって、結構ピュアだよね」


「悪いか?」


「もう最高っっ!」


「なんなんだ、こいつ……」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「あ、じゃあさ、教科書忘れたとかはどうかな?」


「それもあったな。机をくっつける奴だろ」


「そうそう。でもあれって、お昼近くは嫌だよね」


「そうだな。聞こえるな」


「うん。お腹の――」



「購買に走る前のカウントダウンの声」



「違うよ! お腹の音だよ!! 授業中にカウントダウンって心の中でしてよ!」


「もちろん、心の中だ」


「心の声聞こえてるってこと?」


「ああ。パーソナルスペースだからな」


「……パーソナルスペースでも聞こえないよ」



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