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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
1LDK(1~50)
39/102

『ツインテールの部屋』

 ツインテール:和製英語。髪を二つにまとめて垂らす、二次元の王道。


【掲載日は2017年9月30日(9+30)午前0時】

 第39部分です。

【作成日は2017年8月31日】

 一月遅れで誕生日おめでとう。

 緑色のツインテールの子。


「お兄ちゃん、女の子の好きな髪型ってある?」


「俺はそうだなぁ、ツインテールが好きだ」


「おお、今回の部屋にピッタリだね。それじゃあ私もツインテールにしてくるよ」


「……待て」


「?」



「そもそも、俺達は髪の毛すら描写されてないんだぞ。ここでツインテールにするってことはショートの可能性を消すってことにならないか?」



「大丈夫だよ。妹キャラは髪長いんだよ? これ鉄板。それにケチがついてもウィッグを付けてるって言い訳をすればいいんだよ」


「……凄い偏見と自信だな。ちなみに、反対意見を受け付けたらきりがないから断る」


「誰に言ってるの?」


「オーディエンスだ」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「――ってなわけでツインテールだよ、ファサフサァ! 惚れた?」


「いや、なんか想像と違うんだな、これが」


「どういうこと?」


「ツインテールにも色々あるだろ。お前のはそうだなぁ、なんか違うな。ツインテールの良さを引き出せていない感じだ」


「え~~、わかんないよ。こうやって魔法少女みたいにするのが王道じゃないの?」



「いいか? 二次元とかでよくある兎のような曲線を描くツインテールは、大体現実でやると成功しないんだ。ボリューム感とエアリーを演出し、尚且つ黄金律のような美しいシルエットを描くための左右対称は言葉で説明するよりも難しいんだ!」



「ず、随分と詳しいね」


「当り前だ。俺が何年、ツインテールに情熱を注いできたのか知ってるのか!?」


「この瞬間に初めて知ったよ!」


「持論を展開させてもらうが……特にツーサイドアップ。俺はあれをツインテールとは認めない!」


「キャラ代わってるよお兄ちゃん! 戻ってきてえええ!」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「すまん。取り乱していたようだな」


「お兄ちゃんの狂気的な一面を見た気がするよ。それに、以前の私と同じで空欄を使っての復帰だね」


「??? そんなことあったか?」


「あったよ?」


「そうか……話を戻すか」



「そういえば、イラストとかではツインテールって見かけるけど、実際に髪型として採用してる人って、アイドル以外に見ないかも。逆に、見かけたらツインテールだ! って心の中で叫んじゃうもん」



「ツインテールは奥が深いからな。手を出すのが難しいんだよ」


「へ、へぇ……(これ以上の質問は命取りかも)。じゃ、じゃあ、お兄ちゃんはツインテールキャラしか愛せないんだね。今の私ってストライク?」


「……」


「あれ?」


「確かにそうなんだけどな。ツインテールのキャラクターが好きって公言したら、ロリコンって見られそうで怖いんだよ」


「それは偏見だよ、ツインテールに失礼だよ。六十を超えてもツインテールの人だっているもん」


「それはそれで狂気的だな」


「お兄ちゃん、好きに正直にならないと!」


「――! そ、そうか。俺はなんてことを」


「(あ、変なスイッチ入れちゃったかも)お、お兄ちゃん、この部屋に関しては別人だね」



「好きなものに正直に生きる。そうだよな。……俺はツインテールが大好きだ!

 もちろん、ツインテールのあのキャラやこのキャラも大好きだ!

 誕生日にはおめでとうって叫びたい!

 一月遅れたけど言わせてくれ!!

 緑色のツインテールの子、誕生日おめでとおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」



「やばい、お兄ちゃんが後戻りできないくらいに変になっちゃった。お、お題の人、一旦閉めて!!」


「遅れたけど、十周年おめで――」


「はい、また明日! ちなみに、お兄ちゃんの言動は通常ではないので、実際の文化やキャラクターには関係ありません! 以上!」


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