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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
1LDK(1~50)
34/102

『   の部屋』

 『   』:空白。正直者と中二病には文字が見える。


「やりやがったな、お題の人。ハードルを上げられて逃げたか」



「まさかのボイコットってことかな? お題の書いてない部屋なんて初めてだよ。どうしよっか?


 ここはやっぱり王道で『今日はお父さんもお母さんも旅行でいないから、二人きりだね。えへへ』って展開になってラブコメの王道になるのかも!


 『今日はお題も書いてないから二人きりだね。なんだか汗かいてきちゃった。シャワー……一緒に浴びる?』的な!? 浴びます!!」



「そんな展開にはならん。第一、これはラブコメじゃない」


「ぶぅ」


「……仕方ない。今回のお題は、俺達で考えることにするか」


「おお、今までにない展開。それじゃあ、案を出し合ってみて試してみよっ!」


「それがいいな。よし、そうするか」



〇〇〇〇〇〇〇〇



 数十分後。


「じゃあ、まずは私からだね『妹の部屋』!」


「後輩の部屋と違うのか?」


「後輩の部屋? そんなのあった?」


「あったようななかったような……まあいい。それで、求める妹像について討論するのか?」


「物分かりがいいね、お兄ちゃん。でも、その必要はないよ。ここに完璧な妹がいるもん!」


「完璧?」


「そ、そうだよ。だって、お兄ちゃんの事が好きって公言する妹は少ないもん。いや、いないかもしれないね」


「結構いると思うぞ。現実は少ないだろうけど」



「でもでも、ここまでの愛を注ぐ妹はいないよ! 最強ヒロイン爆誕!」



「漫画やライトノベルだと、かなりの割合でいるけどな」


「……お兄ちゃん、やけに詳しいね。もしかして実は妹属性が好み?」


「それだと、実の妹は含まれない気がするのは俺だけか? まあいい。このお題だと、着地点が見え見えで面白くないな」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「え~~。じゃあ、お兄ちゃんはどんなの思いついたの?」


「俺はこうだ。『沈黙の部屋』」


「なんか、映画のタイトルでありそうだね。サイレントルーム、そこは誰も話すことの出来ない呪われた禁断の部屋だった……とか」


「これはすごいぞ。一言もしゃべらない部屋だ」


「文字通りだけど……オーディエンス泣かせじゃない?」


「それでいい。俺達は常に、抗って生きていくべきなんだ」


「中二病のセリフみたいだ……お兄ちゃんが変になったとしても、私は味方だよ!」


「……」


「え、実行中?」


「……」


「って、全然面白くないよ、これ」


「……」


「それに、なんかデジャブだし。とりあえず、お題の人カムバアアアッッッック!」


 結論の通り、あおり文に応えることは出来ませんでした。


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