表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
1LDK(1~50)
32/102

『RPGの職業の部屋』

 RPGの職業:多々ある。


「また変なお題が来たぞ」


「そうだね。きっとお題の人がRPGのゲームにはまってるんだよ」


「それにしちゃ、前回は宝くじなんて突拍子もないお題が来たけどな」


「え? そんなお題あった?」


「……気のせいか」



「さすがに安直すぎるよ。宝くじで一億円当たったら何するか? とかでしょ? 小学生の会話だよね。発想が幼稚っていうか、私達の崇高な会話には届かない議題だよ」



「やめろ。なんか自分たちの首を絞めてる気がしてならない」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「そんなことより、今回のお題ってあれだよね? 戦士とか武闘家みたいにゲームの中で職業選ぶ奴だよね」


「そうだな」


「お兄ちゃんなら、もしRPGの世界に生まれたら、どんな職業にする?」


「そうだな、盗賊かな」


「なぜに!」


「いや、一番生きていけそうだろ。盗賊なら食に困りそうじゃない」


「無銭飲食だよね、それ! ……お兄ちゃん、盗賊だと主人公になれないよ?」


「俺は主人公に向いてないからな」


「そんなことないよ!」


「久しぶりにキレながら叫んだな」


「結構叫んでる気がするけど……そんなことよりも、お兄ちゃんは紛れもなく主人公ポジションの勇者だよ!」


「なんで?」



「だって、カッコよくて頭もいいし……待てよ? 主人公は競争率が高くなるかも。そうなると私の計画が狂うってしまう。それは避けないといけない。……うん、盗賊はおススメだね」



「おい。なんだよ、途中の恐ろしい考察は」


「なんでもないよ、なんでもない」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「……しかし、そうか。勇者はモテるのか。いいかもな、勇者」


「ちょっと!」


「勇者になれば、旅の仲間とロマンスが生まれるかもしれないし、よし、俺は将来、勇者になる」


「それ、就職したくない若者の逃避台詞だよ。もしくは小学生の将来の夢だよ」


「辛辣だな。でも気にしない。俺は勇者だからな」


「完全に周りが見えてない! 帰ってきて! 元のお兄ちゃんに戻って!」


「ふははは! 俺はもう、勇者にしか目が無いんだ」


「お願い! お兄ちゃんを返して!」


「お前の兄を返してほしくば、俺を倒してみろ」


「やってやる……お兄ちゃんは私が取り戻す!」



〇〇〇〇〇〇〇〇



 数分後。


「すまん。悪ノリしすぎた。あれじゃあ魔王だ」


「嬉しかったよ。お兄ちゃんはノリ悪いから尚更!」


「……職業の話だったよな」


「そうだね」


「俺は普通に、盗賊でいいよ」


「それでこそ、私のお兄ちゃんって感じだね」


「ちなみに、ヒトミは?」


「私はもちろん、プリーストだよ! お兄ちゃんを癒すのは私だけだもん!」


「なんか、驚きもないな。十中八九、そんなことを言うと思ったぞ」


「照れるなぁ……えへへ」


「(単純ってことなんだが、言わないでおくか)」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ