『RPGの職業の部屋』
RPGの職業:多々ある。
「また変なお題が来たぞ」
「そうだね。きっとお題の人がRPGのゲームにはまってるんだよ」
「それにしちゃ、前回は宝くじなんて突拍子もないお題が来たけどな」
「え? そんなお題あった?」
「……気のせいか」
「さすがに安直すぎるよ。宝くじで一億円当たったら何するか? とかでしょ? 小学生の会話だよね。発想が幼稚っていうか、私達の崇高な会話には届かない議題だよ」
「やめろ。なんか自分たちの首を絞めてる気がしてならない」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「そんなことより、今回のお題ってあれだよね? 戦士とか武闘家みたいにゲームの中で職業選ぶ奴だよね」
「そうだな」
「お兄ちゃんなら、もしRPGの世界に生まれたら、どんな職業にする?」
「そうだな、盗賊かな」
「なぜに!」
「いや、一番生きていけそうだろ。盗賊なら食に困りそうじゃない」
「無銭飲食だよね、それ! ……お兄ちゃん、盗賊だと主人公になれないよ?」
「俺は主人公に向いてないからな」
「そんなことないよ!」
「久しぶりにキレながら叫んだな」
「結構叫んでる気がするけど……そんなことよりも、お兄ちゃんは紛れもなく主人公ポジションの勇者だよ!」
「なんで?」
「だって、カッコよくて頭もいいし……待てよ? 主人公は競争率が高くなるかも。そうなると私の計画が狂うってしまう。それは避けないといけない。……うん、盗賊はおススメだね」
「おい。なんだよ、途中の恐ろしい考察は」
「なんでもないよ、なんでもない」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「……しかし、そうか。勇者はモテるのか。いいかもな、勇者」
「ちょっと!」
「勇者になれば、旅の仲間とロマンスが生まれるかもしれないし、よし、俺は将来、勇者になる」
「それ、就職したくない若者の逃避台詞だよ。もしくは小学生の将来の夢だよ」
「辛辣だな。でも気にしない。俺は勇者だからな」
「完全に周りが見えてない! 帰ってきて! 元のお兄ちゃんに戻って!」
「ふははは! 俺はもう、勇者にしか目が無いんだ」
「お願い! お兄ちゃんを返して!」
「お前の兄を返してほしくば、俺を倒してみろ」
「やってやる……お兄ちゃんは私が取り戻す!」
〇〇〇〇〇〇〇〇
数分後。
「すまん。悪ノリしすぎた。あれじゃあ魔王だ」
「嬉しかったよ。お兄ちゃんはノリ悪いから尚更!」
「……職業の話だったよな」
「そうだね」
「俺は普通に、盗賊でいいよ」
「それでこそ、私のお兄ちゃんって感じだね」
「ちなみに、ヒトミは?」
「私はもちろん、プリーストだよ! お兄ちゃんを癒すのは私だけだもん!」
「なんか、驚きもないな。十中八九、そんなことを言うと思ったぞ」
「照れるなぁ……えへへ」
「(単純ってことなんだが、言わないでおくか)」




