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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
1LDK(1~50)
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『時間遡行の部屋』

 時間遡行:過去に遡ること。現実では不可能。


「ねぇ、お兄ちゃん」


「なんだ?」



「もしもタイムリープできるとしたら、どうする?」



「なんだ。流行に乗ったのか?」


「ち、違うよ。乗ったとすればお題の人だよ」


「今日のお題か……で、タイムリープの話になると」


「うん。最近さ、時間遡行の作品って多いよね」


「確かに多いよな。――とか。――とか」


「なんか、意図的に作品名が伏せられてる気がするんだけど」


「全方位への配慮だ」


「もし、伏せ字の内容を知りたい人がいれば、良い子のみんなはネットで検索してみてねってやつだね」


「すごく他人任せだな。電話サービスはしてないのか?」


「してません」


「24時間ロードサービスは?」


「してません」


「三十分以内ならもれなくもう一個――」


「ついてきません。って、別方向のネタに走り始めてるよ。時間遡行の話だよ!」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「そうだったな。それじゃあ早速使えばいいんじゃないか?」


「どういうこと?」


「話が脱線する前に戻ればいいんだよ」


「……あ、そうか。でもさぁ、時間遡行って自分以外の人の記憶は無くなるんだよね」


「そりゃあ、時間遡行してるからな。記憶が引き継がれてる事の方がファンタジーだ」


「んじゃ、物は試しだよね」


「は?」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「ねぇ、お兄ちゃん」


「なんだ?」


「もしもタイムリープできるとしたら、どうする?」


「なんだ。流行に乗ったのか?」


「ち、違うよ。乗ったとすればお題の人だよ」


「今日のお題か……で、タイムリープの話になると」



「うん。最近さ、時間遡行の作品って――まずいまずい」



「ん?」


「お兄ちゃん、私が時を越える少女だって言ったらどうする?」


「とりあえず、精神科に行けとアドバイスを送る」


「……実はね、今から数分後の世界から時間遡行してきたんだよ」


「スケールが小さいな、随分と。これじゃあ、他の時間遡行ものには勝てないぞ」


「勝つ気なんてないよ。名作ぞろいだもん」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「とりあえず、お前が意味不明なことは周知の事実として、時間遡行してきたってことは、何か重要なことが起ころうとしてるんだろ?」


「え、別に?」


「……いいか? 時間遡行には理由があるんだ。例えば数分後に俺が死にそうとか」


「お兄ちゃんが死ぬなら私も死ぬよ!」


「違う! 意味もなく時間遡行する奴なんていないんだよ。名作ってのは、理由があって時間遡行してるんだ」


「い、言われてみれば……」


「はぁ、だから意味もなく――」


「じゃあ、今度はお兄ちゃんね」


「へ?」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「……ここは」


「ねえ、お兄ちゃん。トンネルを抜けたら何が待ってると嬉しい?」


「戻り過ぎだろ!」


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