表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
1LDK(1~50)
29/102

『宝くじの部屋』

 宝くじ:当たっても当たらなくても、不幸になりそう。


「お兄ちゃん、宝くじ当たったらどうする?」


「唐突な上に、随分とありきたりな質問だな」


「だって、今回は宝くじの部屋だから――」


「お題の人が当たったのか?」


「それはないよ。だって当たったらお題なんて出してないし」


「(お題の人って時給制なのか?)」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「それより、どうする?」


「当たるって言っても、金額はどうするんだ?」


「そうだなぁ、手頃に一億?」



「言っておくが、一般人に一億の価値は分からないぞ。よくプロ野球選手の年棒でうんたら億円って目にするけど、意味わからんし」



「そう言われるとそうだね。一億円って言われても、よくわからないね」


「だろ? だから、俺は一億円が当たったら――」


「当たったら?」



「とりあえずビルの屋上からばらまいてみる」



「なにそれ! なんかやってみたいけど!」


「それで俺は言うんだ『見ろ。貧乏人たちが懸命に紙くずを拾ってるぞ』って」


「それ完璧に悪役だよね。そういうのじゃなくて、もっと夢のあることしない?」


「夢? 薄々思っていたけど、お前は困ったら夢に走るよな」


「え?」


「夢に逃げるな! 現実を見ろ!」


「現実だと宝くじ当たってないよ」


「そうだな」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「えっとね、私はとりあえずスイーツバイキングに通い詰めちゃうかな」


「お兄ちゃん好き好き設定のお前にしては随分と普通だな」


「なんかそれ、だいぶ古いネタだよね。でも、これくらい夢のあることじゃないと!」


「成程」


「じゃあお兄ちゃん、もう一度」


「そうだな……家を純金にするとか」


「それはきっと一億じゃ足りないよ」


「じゃあ、ロケットを作ってもらって宇宙に移住する」


「それも絶対に無理だよ。一億円の価値は分からないけど、絶対に無理とだけは言えるよ」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「……」「……」


「役に立たないな、一億。こんなの、俺はいらん」


「お兄ちゃんの使い方に絶対的な問題があると思うんだけど」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ