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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
1LDK(1~50)
27/102

『新婚ごっこの部屋』

 新婚ごっこ:新婚の真似事。ままごと。


「――というわけで」


「なにが『――というわけで』だ! 入れ替わりの部屋でとんでもない展開だったぞ! お前が俺を、あ、いや、正確には俺が入ったお前を……ああもう、ややこしいな!」


「やだなぁ、お兄ちゃん。ご都合主義だよ。ご都合主義。生きてるんだし、いいじゃん」


「……腑に落ちん」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「じゃあ早速、今日も二人でラブラブしようよ!」


「で、今日は何の部屋なんだ?」


「新婚ごっこの部屋だよ」


「最早、お前の為に部屋の歯車が回ってるとしか思えなくなってきたな」


「それは違うよ! 歯車はお兄ちゃんの為に回ってるんだよ! ここ重要! テスト出すよ!」


「なんのテストだよ」



「お兄ちゃん好き好き検定の三級だね。ちなみに二級から一級にかけては何度が急激に上がっていき、お兄ちゃんの全てを知り尽くしていなければ突破できないんだよ。ま、私は既にマイスターだけど」



「……で、新婚ごっこだったな」

「華麗にスルーだね、お兄ちゃん」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「新婚ねぇ。イメージなんだが、新婚って考えるほど甘々な生活を送ってるものなのか?」


「そりゃそうだよ!」


「でも、結婚の前に大体の連中が同棲するだろ? 延長線上じゃないのか?」


「そ、それはそうだけど! 姓が変わってるし!」


「姓ねぇ……芸能人って、結婚しても変えないよな。芸名」


「そりゃ、芸名だもん」


「芸名だから変えないってのはおかしいだろ。そんなんだから不倫や浮気が増えてマスコミが大喜びするんだぞ」


「そ、そうとも限らない気がするけど。でも、新婚って確かに、想像してるよりも普通なのかな?」


「その辺りをシミュレートしろと言ってるのかもしれないな」


「よし、やってみよう!」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「ただいま。帰ったぞ」


「おかえりなさい、あなた。お風呂にする? それともご飯? やっぱり――私?」


「それ、絶対に漫画の中でしか言わない台詞だろ」


「えー、面白くないなぁ。これはあくまでもシミュレーションなんだから、乗ってくれないと!」


「……じゃあ、ご飯で」


「ご飯ってことは、遠回しに私ってことですか? あなたって、大胆。でも大好きよ」


「待て。勝手な解釈で進めるな。それに今の方法だと、風呂でも同じ展開になるぞ」


「せいかーい」


「お前の方が変態だろ」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「でもでも、新婚ってそんなものじゃないの? 愛し合うしか興味ないって感じ。もし新婚の内にラブラブしておかないと、愛が深まらない気がするよ」


「そうか?」



「それで、旦那のいない隙に浮気に走るんだね。まったく、考えられないよ。きっと本当に好きな人と結婚できてないんだね。ちなみに、私はお兄ちゃんと結婚したら終焉までお供するよ! 婚姻から墓場まで!」



「そうか。俺は浮気するかもしれないけどな」


「ちょっとお!」


「こうみえて、俺にはそんな才能があるのかもしれない」


「ないよ! そんなモテクズ男設定は皆無! 駄目駄目駄目!」


「結局、俺達に結婚は早すぎるってことだ」


「なにその落しどころ! 私達もオーディエンスも納得してないよ!」


「言うな。有耶無耶にしようとしていたところだ」


「納得できない」


「ご都合主義ってことで処理しておこう」


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