『噂話の部屋』
噂話:誰かが流す。ほぼ悪意。
「お兄ちゃん、噂話ってどこまで信じる?」
「真っ向から否定する」
「うわー、久しぶりの夢無きお兄ちゃんだ。でも、そんなお兄ちゃんも好き!」
「で、噂話だったよな」
「最近、好意のスルーが激しくなってる気がするよ」
〇〇〇〇〇〇〇〇
「噂ねぇ……あれってそもそも、どうやって発生するんだ?」
「そりゃあ、誰かが流すんでしょ?」
「ふうん。でも、よく上手い具合に伝わるよな。例えば、Aくんがいるとするだろ?」
「急に授業みたいだね」
「まあ、聞いてくれ。AくんがBくんに噂を話す。この場合、XさんとYくんの密会現場を目撃したとかにしておくか」
「なんか、生々しいね」
「それでだ。Bくんに友達がいなかったらどうなる」
「それは……噂が止まるね」
「そうなる。交友関係が広くても、さすがに校舎全域に噂が広まるってのは難しいと思うんだよ」
「でもでも、Aくんが見境なしに言いふらしたら?」
「まあ、Aくんには悪いが、アホだな。そんなことしたら、自分たちを見たのがAだってばれるだろ。XとYに」
「そうかな?」
「そして報復編が始まる」
「急にドロドロ展開!? きゃ、却下!」
「つまらないな。そういうわけで、広めるのもリスクがある」
「あるかもしれないけど、そんな血まみれの展開はないと思う」
「そこで、噂が伝わる理由を考えてみた」
「そ、その理由って?」
「AくんとBくんの話を聞く、聞き耳を立てた噂好きのCさんがいたんだ」
「……へぇ」
「おい、反応薄いな」
「だって、なにも驚かない展開だもん。考えたら、噂の広がりかたって無限にありそうだし」
「……やめるか? このお題」
「うん」




