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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
1LDK(1~50)
11/102

『入れ替わりの部屋』

 入れ替わり:マジックではなく、よくあるやつ。


「……おい、これはどういうことだ」


「あれだよ。私達、入れ替わってる!? ってやつだよ」


「描写が無いから全くわからないな。それに、経緯も何もあったもんじゃない」


「それはしょうがないよ。こういう作品だもん。入れ替わっても声とかで判断できないし」


「中身が変わっても、結局は駄弁るだけだもんな」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「あ、そうだ。せっかくお兄ちゃんになったんだから」


「(お兄ちゃんと言ってる俺を見るのは、新鮮というより不気味だ)」


「ちょっとトイレに――」


「行くな」



「いいじゃん。あ、お兄ちゃんも私の身体好きにしていいよ。ね、今の好感度上がったでしょ? こんなオープンなヒロインはいないよ! 世界で私だけだよ! 開放型ヒロインとして新たなジャンルを確立させたよ!」



「絶対に人気が出ないだろ、それ。恥じらいはないのか?」


「お兄ちゃんになら、見られてもいいし、触られてもいいの」


「真顔で言うな。俺の顔だから気持ち悪いんだよ」


「ぶぅ。お兄ちゃん、そう言いつつも本当は興味あるんでしょ?」


「は?」



「だって、おっぱい触りまくりの揉みまくりだよ。ここから見てる分には、私が自分の胸を触るだけだから、なにも危険なことはないよ!」



「ありまくりだ。少なくとも状況を理解してるオーディエンスに見られる」


「えぇ~~。なんなら下も――」


「お前はもう喋るな。大体、さっきから俺が変態発言してるみたいじゃないか」


「まあ、第三者から見ればそうだね。ん、待てよ?」


「やめろ。何を思い付いたか知らないが、やめてくれ」


「お、俺、ヒトミの事、好きだ」


「……」


「妹とか関係なく、好きだ!」


「キモい」



「そんなっ! お兄ちゃんも私になりきってよ! 私なら一も二もなく抱き付いてハッピーマリッジエンドまっしぐらだよ!


 おまけに公式公認のベストカップルとして扱われて、色んな作品の中で口々に語られたり、実はこの世界と他の世界の時間軸が一緒だったり、色々と後付けの設定がもらえるのに!」



「後付けって言ってる時点で駄目だろ。しかし、お題の人がお題を出すだけで入れ替わるなんて、どんなファンタジーだよ」


「あ、今のもストックされたんじゃない?」


「……」



〇〇〇〇〇〇〇〇



「まあ、こうして入れ替わったわけだけど、どうする?」


「何もしない。戻るのを待つだけだ」


「つまんないなー。美少女と入れ替わるなんて、滅多にないよ?」


「あってたまるか」


「考えたことないの? もし、美少女と入れ替わったら、あんなこととかこんなこととかしほうだいだなグフフフフって」


「ない」


「お兄ちゃん、やっぱり夢が無いんだね。でもそんなお兄ちゃんも好き」


「キモい」


「ちょ、いつもより当たり強くない?」


「そりゃあ、いつも鏡で見る自分が、目の前で自分大好き宣言してたらキモいだろ」


「あ、そうなるのか。ふむふむ。じゃあ試しに、お兄ちゃんも私の身体で何か言ってみてよ」


「……お兄ちゃんのこと嫌い」



「んなっ! そ、そんなことあるわけないだろ私イイイイイイ!」



「なっ――!」


 ドカッ!


「あ、つい手が滑って……私? あ、いやお兄ちゃん? やだ、どうして冷たく……嘘でしょ? だって、身体私のままだし、ってことはお兄ちゃんが? 嘘だよね?」


「……」


「おにいちゃあああああああああん!」


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