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俺と妹のただならぬワンルーム  作者: お題の人(新増レン)
2LDK(51~100)
100/102

『妹の部屋』

 妹:史上最強!! *個人(作中の誰か)の見解です。



「ついに来たね! 私の時代!! 100部屋目にして最強のお題だよ!!!」



「100か。ここまで来るとはな……。作者が言うには、元々50で終わらせるつもりだったらしいけど、書いているうちに頭の中で俺達が会話し始めて、やめるにやめられなくなったみたいだ。きっと死ぬまで書くんじゃないか?」



「そんな裏事情どうでもいいよ! それに、死ぬまでなんて無理だよ。ネタがきっと尽きるし、途中で書いてる側が飽きてくる……って、そんなのどうでもいいよ!! 今日は妹の部屋なんだから! ほら、お兄ちゃん!」



「は?」


「私を崇めてよ! もっと敬ってよ! 今日は天上天下、私只一人の為のお題なんだから!」


「他にも妹なら星の数ほどいるだろ」


「星の数ほどはいないよ! 希少価値高いよ!」



 ○○○○○○○○



「――で、何するんだ?」


「ふっふっふ。お兄ちゃん、妹の部屋なんだからすることはただ一つだよ」


「……まったく、見当が付かないんだが」


「察しが悪いなぁ。当然、妹シミュレーションゲームだよ!!」


「なんだよ、それ」



「これを見ている人が、必ずしも兄とは限らないでしょ? そんな妹のいない可哀相な人達の為に、妹の私がお兄ちゃんとシミュレーションすることで妹エネルギー、イモルギーをあげようってゲームだよ」



「……妹が欲しいなら、お前をあげるんだけどな」


「ちょ、それはさすがに……」


「す、すまん。言い過ぎ――」


「ツンデレも度が過ぎると、需要ないぞ。ていっ」


 こつん。


「すぐに売りだな」


「そんなっ、株みたいに!」


「それと、イモルギーって何だよ」



「妹エネルギーだよ!! 説明しよう、妹エネルギーとは妹から放出される目には見えない宇宙エネルギーの事なのだ。これを全身に浴びると、心が朗らかになり些細なことは気にしなくなるのだ!!」



「イモルギー、是非世界中に散布してくれ」



 ○○○○○○○○



「じゃあ早速、ゲーム始めようよ」


「このゲームが本当に世界平和につながるのかはともかくとして、シミュレーションって何するんだよ。また美少女ゲームでもするのか?」


「まさかぁ。あれに出てくるのって狂気の妹だけでしょ」


「お前も十分、狂気の沙汰に分類されるけどな」


「このゲームは妹がいた場合を想定して、こういう時はどんなことになるのかな? っていうことを私の妹脳を存分に駆使して再現してみようってゲームだよ」


「……は?」


「だから、このゲームは――」


「そこから説明すんな! 簡単に言え!」


「簡単に? えっと、妹がいるとこんな時どうなるのか再現してみようってことだよ」


「最初からそう言えよ。つまり、一緒に暮らしてる妹がいた場合の再現ってことか?」


「そうだよ」


「……じゃあ、どんなお題にするんだよ」


「そりゃあもちろん、簡単なものだよ。例えば、妹の友達が遊びに来てるケースとか」


「ああ、そう言うのなら考えられるよな」


「早速やってみよう!」



 ○○○○○○○○



「ただいま~~、って靴多くないか?」


「お兄ちゃんおかえり~~」


「……おい」


「え?」


「友達ほったらかしにして出迎えるなよ。ありえんだろ」


「そうかな? 普通だと思うけど。だって友達より断然お兄ちゃんだもんね!」


「だもんね! って、これだと平均的な妹を再現できてないんじゃないか?」


「そうかな?」


「普通、兄が帰ってきてで迎える妹なんていないだろ」


「いるよ? ここに」


「特殊なケースだ」


「そ、そうだとしても、妹に憧れや幻想を抱く人たちにとっては最高のシチュエーションじゃない? だって友達よりも兄を優先するんだから!」


「妹の学園生活を心配するだろ」


「お兄ちゃん、そこまで……」


「おい」


「そうだよね。お兄ちゃんが大事だけど、友達との仮初の友情も演じておかないと大変だもんね。わかった。私は心を鬼にして好きでもない友達と遊ぶよ」


「それは友達とは言わん」



 ○○○○○○○○



「もう、お兄ちゃんがツッコんでばかりだから何も進まなかったよ」


「俺のせいじゃない。お前が特殊すぎるせいだ」


「やだなぁ。私の事そんなに褒めないでよ」


「……」


「でもとにかく、100部屋目だね。次からは別世界に突入かな? 新シリーズスタートかも!?」


「デマ情報流すな。この作品はいつまでもこのままだ」


「それもそっか。私もその方がお兄ちゃんと一緒だから嬉しいかも。お兄ちゃん、これからもずっと一緒にいようね」


「フラグ立てるな。もう終わるみたいだろ」


「ほえ?」



 ○○○○○○○○



「けどまぁ、今回のお題は手抜き感が凄かったな」


「最後になんてこと言うのさ!!」


「だってそうだろ。妹の部屋って、ずっとお前と一緒だから100部屋分、全部が妹と一緒の部屋だろ」


「お兄ちゃん……!」


「ま、作品名からそうだしな」


「うん! これからも『俺と妹のただならぬワンルーム』は続くよ!」


「だから変なフラグ立てるなって」


「ほえ?」


「それに本編の中で本編の宣伝しても無意味だろ」


「その方が私達らしいよ!」


「……それもそうか」



 バタン。



 ヒトミはユウジが部屋を出ていくのを見てから、言葉を漏らす。



「……お兄ちゃん、実は今回で終わりなんだよ。101は来ないの。だって、もう……」



 彼女が独占していた無限の終わり。

 100度も繰り返した一部屋の記録も、終わりを迎える。

 彼は、部屋の外へと出ていった。


 光の待つ、白い世界に。


「また、仲良くしてほしいな」


 そう言って彼女の身体は消えた。

 そして部屋には、何もなくなったのだった。







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