3.悪役令嬢、レベル1
しかし・・・。
具体的には何をすれば良いのだろう。
大まかなあらすじはわかっていても、詳細不明。いわゆるイベントを起こすとか避けるとか、フラグを折るとか、個別対応が全くできない状況だ。獄死まであと15年。長いようで短いはずだ。なんとかしなければ。
「コマンド」
フェリシアはつぶやく。しかし何も起こらなかった。
「どうぐ!」
「そうび!」
「ヒール!」
「ファイア!」
「あとは、んー、ステータス!」
眼前に懐かしいFQのステータスウインドウが開く。
「出たー!!」
言ってみるものだ。
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名前:フェリシア・ランドバルド
職業:NPC▼
属性:なし
レベル:1
HP:15
MP:10
スキル:なし
経験値:0
熟練度:0
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「やっぱりゲームの世界なのかなあ、他の人もステータス画面見られるのかな?」
そこらへんはおいおい確かめていかなければならない。今は内緒にしておくのが良いだろう。
「っていうか、職業がNPCってどういうこと?」
NPC=ノープレイヤーキャラクター。ゲーム内でプレイヤーが使う宿屋や道具屋、手がかりを教えてくれる村人など、ゲームをする上でプレイヤーを助け、支える存在だ。フェリシアはチュートリアル用キャラだからNPCってことかもしれない。
隣の▼が気になる。ゲームの世界では、何か選択肢が表示されるアイコンだ。空中に手を伸ばして触れてみる。
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名前:フェリシア・ランドバルド
職業:NPC▼
:貴族
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「おお!選べる!!」
早速貴族に切り替える。
「これ、もしかして職業が貴族のプレイヤーとしてレベル上げができるんじゃ・・・」
レベルを上げ、転移魔法を習得すれば幽閉先の修道院から逃げ出せるかもしれない。
強くなれば幽閉される前に戦って逃げることもできるだろうし、そもそもNPCじゃなくなれば
チュートリアル悪役令嬢は他の誰かの役になるかもしれない。
「うおっしゃー!」
フェリシアは小さなこぶしを握り締め、空に叫んだ。