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2.悪役令嬢と家族

「フェリシア、ああ、やっと目を覚ましてくれたのだね!」

お父様がやってきた。


「フェリシア! 良かった、目覚めなかったらどうしようかと・・・」

お母様が泣いていた。

いつもきれいに結われている髪が少しほつれている。


「丸一日目を覚まさずに、みんな心配していたんだよ。気分はどう?」

お兄様もいた。


「ごめんなさい、私、建国の話を聞いていたら何だか興奮してしまって・・・。もう何ともないわ」


「そうか、それならいいのだよ。診察してくれた医師も異常は見つからないと言ってくれたのだが目を覚まさないからどうにも心配でね」


さあ、ベッドに戻りなさい、とお父様は頭を撫でてくれた。


「セリーヌも昨日から寝ていないだろう。あとは侍女に任せて少し眠りなさい。エドガーもだ」


「フェリシア、何かあったらすぐにお母様を呼ぶのよ」

お母様は頬を撫でてくれた。


「フェリシア、無理をしてはダメだよ。アン、フェリシアを頼むね」


「はい、エドガー様」


お兄様は侍女に声をかけてくれた。

そうして、お父様はお母様とお兄様を連れて部屋を出て行った。


「アン、もう少し眠りたいの。何かあったら呼ぶから、隣の部屋にいてくれる?」


「かしこまりました」


アンも部屋から出して、ようやく一人になった。



天蓋を眺めながら考える。

香代と混ざったフェリシアだけど、お父様もお母様もお兄様も何の違和感もなく家族だと感じられた。良かった。


もちろん香代の家族の記憶もある。

フェリシアのお父様やお母様やお兄様はゴージャスな美男美女でザ・貴族!な感じだけど、香代の両親は普通を絵に描いたようなザ・日本人だった。一人っ子で兄弟はいなかったのでエドガーお兄様という存在をとても嬉しく思う。


そういえば、フェリシアが幽閉された後、ランドバルト家はどうなったのだろう?

何せ3分チュートリアルなので、そこまでは出てこなかった。だが、娘が幽閉されてお家にはお咎め無しということもないだろう。


改めてフェリシアは決意する。

フェリシアは何としても生き抜かねばならない。香代に戻って両親に会うために、フェリシアとして家族を守るために。




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