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#1 帰り道は2人を茜に染めて

自分で読み直してみて、「こうした方がいいんじゃないか??」というポイントを直してみました!

 帰りのホームルームも終わり、部活に行く人やそそくさと家路につく人で教室が騒がしくなる。俺も何かしらの部活に入部していれば、毎日がつまらないなんて感情は芽生えなかっただろうか。そんなことを考えながら、視線をほのかの席の方に向ける。ほのかの周りには2人の女子生徒がいて何かしら話をしている。

 

 ほのかは男女隔てなく人気者だ。

 人当たりが良く、彼女の話し方からかとても話しやすい。それに加えツヤのある黒髪や、きれいに整った顔立ち。彼女の性格を表しているかのようなトロンとしたたれ目には惹きつけられる。だから彼女の周りには常に人がいる。1人でいるのが珍しいくらいに、だ。

 俺はそっと席を立ち、ほのかの方へ向かう。すると…

 

 「あ、じゃ、じゃあほのちゃん。また明日ね!」

 

 「ば、バイバイほのちゃん!」

 

 とほのかに別れを告げて今まで話をしていた2人は教室の外へ出て行ってしまった。

 

 「いやいやぁ。相変わらず嫌われ者ですねーゆうくんはぁ」

 

 ふへへ、とほのかは笑顔をこちらに向けてくる。たぶんそのセリフは笑顔で言うセリフではないんじゃないかな?

 「うるせぇ、大きなお世話だ。ほれ、さっさと行くぞ」

 

 「あいあいさー」

 

 ほのかはゆるりと右手をおでこの方に持っていき、敬礼のポーズをとる。依然として笑顔のままだ。

 

 「何がそんなにおかしいんだ?」

 

 「んー?べつにー?ただぁ、どうすればみんなに、ゆうくんが本当は優しいんだって知ってもらえるのかなぁって」

 

 「……大きなお世話だ」

 

 俺はそう言って教室を出る。後ろからほのかの「あわわ、待ってよー」と焦る声が聞こえたが、あえて無視した。



 ほのかの家の近くのスーパーで買い物を済ませ、家に向かう。

 あたりはすっかり夕暮れ色に染まっていた。ほのかがあれやこれやとすき焼きには関係ないような商品まで買い物かごに入れるので、元の場所に戻すのに時間がかかってしまったのだ。

 

 「ゆうくんと買い物なんて久しぶりだねー」

 

 ふへへ、とほのかが笑う。

 確かに、最後にほのかと2人で買い物をしたのは小学生の頃だ。何をどこで買ったのか記憶はないが、そうだったはずだ。その頃のほのかと、今のほのかはほぼ何も変わっていないような気がする。話し方も、髪形も、性格も。少しは大人っぽくはなっているが、だいぶ当時の面影が残っている。

 

 「…なぁ、ほのか」

 

 「なぁに?」

 

 そんなほのかに、1つ気になることがある。それは…

 

 「お前は…俺のこと、怖くないのか?」

 

 俺はあの頃の俺とだいぶ違う。それは、ほのかを見ていてしみじみと感じることだ。目つきも、口調も図らずとも悪くなってしまう。それが原因で何度かいざこざに巻き込まれたりもした。言ってしまえば、浮いている。周囲に上手く溶け込めていないのだ。高校1年の春、目つきの悪さで先輩に絡まれ、返り討ちにしてしまったのも溶け込めなくなった理由の1つだろう。その翌日に生徒指導の教員に呼び出され、生徒の間では根も葉もない噂が飛び交い、あっという間に俺は避けられる存在になってしまった。周りの生徒から恐れられ、まともに会話する人なんていない。そんな俺に、彼女は…ほのかは当時と同じように俺に接してくるのだ。

 

 「ゆうくんが怖い?そーんなことないよぉ」

 

 近所の子どもが石か何かで描いたのであろう、小さな円を片足ずつ交互に入れ替えながら歩くほのかが言う。

 

 「ゆうくんは優しいんだよー?あの頃となぁんにも変わらない。私ね、ゆうくんと高校で会った時、すっごい安心したんだぁ。私の知らないゆうくんだったらどーしよって、ずっと思ってたから。ゆうくんが人をぶって病院送りにしたーって聞いた時は、さすがに私もびっくりしたよぉ。3年間で私の知らないゆうくんになっちゃったのかなぁって」


 ふへへ、とほのかは笑う。何の偽りのない、ただただ純粋で澱みのない笑顔がそこにあった。

 

 「でもね、2年生になって初めて高校でゆうくんに会った時、ゆうくんが久しぶりって言ってくれてね、あぁ、私の知ってるゆうくんだって思って、すごく嬉しくなって…1年間楽しくなりそうだなぁって思たんだぁ」

 

 頃と変わらない笑顔が夕日に映えて、少し見惚れてしまいそうになる。その事実に目を背けるように、ほのかから目をそらした。

 

 「俺が変わってないなんて、その程度でわかるもんかよ」

 

 早まる鼓動を誤魔化すかのように、ぶっきらぼうに言葉を返す。

 

 「変わってないよ。だってほら、今だって荷物全部持ってくれてるでしょ?」

 

 言い返す言葉が思い浮かばない…。

 すると、そんな俺を見て自分が勝った気にでもなったのだろうかふふん、と勝ち誇ったかのような表情でこちらを見てくる。

 

 「ねぇ、ゆうくん」

 

 「…なんだ」

 

 「すき焼き、楽しみだねー」

 

 ふへへ、と幸せそうな笑顔を見せてくる。それにつられるかのように、俺も自然と表情が緩んでしまう。不思議と、悪い気はしないがほのかと一緒にいると自分のペースを乱されてしまう。

 

 「そうだな」



 いつぶりだろうか。

 沈みかかけの、いつもと変わらない夕日が綺麗に見えたのは。

いかがでしょうか…

完全に自己満足な部分が多いのですが、読んでくださった方にはどのように思われているのか不安です( ;∀;)オヨヨ

これから先のお話も修正・加筆していきますので、どうぞよろしく!

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