プロローグ いつも通りの日々
はじめましての方は初めまして。お久しぶりの方はお久しぶりです、紫陽花です(^^)
更新は不定期になりますが、どうかよろしくお願い致します!
つまらない。
毎日が同じことの繰り返し。
朝起きて、朝飯食って、学校行って、午前の授業を受けて、昼飯食って、午後の授業を受けて、家に帰って、晩飯食って、風呂入って、寝て、また起きての繰り返し。
何の変化もない。ただ、同じことの繰り返し。
こんな毎日にどんな意味があるのだろうか。特に将来の目標だとかゆめだとか。そんなのなんて俺にはなかった。
言ってしまえば、何のために生きているのかわからない。
今、俺の周りで誰かと笑いながら話している人たちは何のために生きているのだろうか。何か目的があって生きているのだろうか。聞いてみたところで俺の中の何かが変わるとは思えないが、つくづく疑問に思う。
「おやおやぁ、いつになく時化た顔をしてますねぇ。だから友達少ないんだよー?」
不意に声を掛けられ、物思いにふけっていた俺の意識は現実に戻される。
「大きなお世話だ。それに、この顔は生まれつきだと何度も言ってんだろ」
「そーれはウソだよぉ。小学生の頃のゆうくんはすーごく可愛かったよ?」
ふへへ、と声をかけてきた幼馴染の佐川ほのかが笑う。肩まで伸びた、ツヤのある黒髪が彼女の間延びしたほわほわした喋り方に合わせるかのように左右に揺れている。いや、彼女自身が揺れているのか。なんだコイツは。
「そんな昔の事なんか覚えてねーよ。つか、何の用だ?」
彼女、佐川ほのかとは小学校からの長い付き合いになる。と、言っても中学の時は俺の親の仕事の都合で海外に住んでいたため同じ学校にはいなかった。だが、高校に進学する際に俺だけ日本に帰国し(理由はいろいろあるが、一番大きな理由としては日本が恋しくなったから)、日本の高校に通うことにした。そこで、たまたま偶然再会したのだ。まぁ、2年生になり同じクラスになって初めて気付いたのだが…。
「あ、そーだ。お母さんがね、久しぶりにゆうくんも一緒に夜ご飯食べないかーって」
ふと、思い出したかのようにほのかが言う。
小学生の頃は互いの両親の仲が良かったため(母親が同級生なのだとか)、頻繁に互いの家を行き来していた。当時はよく晩飯をご馳走してもらっていた。
「今日はねー、実家のおじいちゃんが美味しそうな牛肉を送ってくれたから、すき焼きだってー」
食べている場面を想像しているのか、すでに幸せそうな顔をしている。すき焼きか…。一人暮らしを始めてから、高価な肉は食べていない。親の仕送りも贅沢ができる程の額ではないので、考えて使わないと生きていけなくなってしまう。ほのかの両親の挨拶もしたいし、お言葉に甘えようとするか。
「わかった。邪魔する」
「うんっ。じゃーあ、学校終わったら、一緒に買い物して帰ろうねー」
ふへへ、とほのかは笑って自分の席に戻っていった。
つまらない。
そう思っていた毎日の終わりが近くに迫っているなんて、この時の俺は思ってもいなかった。
文の構成等、読みにくかったりはしませんか?
登場する人物たちの個性やその場の雰囲気に、読んでくださった方々を惹きつけられるような物語にしていきたいです(^^)
どうか温かく見守ってください♪