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「答えは知らないでいい。模索する過程こそ全てである。」
昔、誰かにそんな事を言われたのを覚えている。僕にとってその言葉は、妥協する際の決まり文句になりつつあった。あるいは、その言葉自体そういう意味で僕に告げられていたのかもしれない。
しかし、必死になって模索したが、結果が得られない。などという状況に遭遇したらどうだろうか?例えば、僕の中に『やる気』という名の棒があるとすればそれは真っ二つだろう。
接着剤で補修することもできるだろうが、それは以前に比べて脆くなってしまう。思考を再開したところでまた折れる。
2年間、たった2年間だが僕は考えた事がある。『心』という不確かなものについて。
心理学だってもちろん学んだ。しかし見当違いだった。心理学とは心を学ぶものではない。
文字通り『心理』を学ぶのだ。それはほぼ『性格』という言葉で締めくくってしまってもいいだろう。
多数のデータを採取し、分類を作り、それに当てはめていく。そういったものだ。
僕はそれを知った時、不毛な2年間だったと後悔した。