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第20話 勇者に眠りし力

 迷いの森のとある場所に、魔法使いが住んでいましがた、ルシファーの手によって、小屋は瓦礫の山になってしまいました、とさ。

「はぁ、あなた達に力を貸しゅ前に、新しい家を建てるでしゅ」

 魔法使いはポケットから、いかにも毒々しい、赤と白の水玉模様の傘と、人の顔のように見える茎を持つキノコを取り出した。

「ねぇ、マーリン。それって、食べると、体が大きくなる幻覚でも見るキノコかな」

 僕が尋ねると、彼は僕を馬鹿にしたように笑った。

「そんなおもしろいキノコでちたら、僕も食べてみたいでしゅよ。残念ながら、幻覚は見ましぇん。ひょっとしたら、走馬灯を見るかもしれましぇんね」

「それって、かなり危険なんじゃ……」

 僕は手で口鼻を覆い、彼から数歩後ずさる。

「大丈夫でしゅ。僕みたいに、優れた魔法使(ちゅか)いは、へまをしましぇん」

 マーリンは、キノコを地べたに置き、呪文を唱え始めた。

『母なる大地とその子らよ! おうちを(ちゅく)って!』

 キノコはむちむちと大きくなり、ルシファーが壊した小屋よりも、一回り大きくむっちりとした形になった。

 キノコの茎にある人面の形もむちむちと大きくなり、かなり気持ちの悪い外観である。

「できたでしゅ!」

 マーリンは手を叩いて喜んだ。

 キノコの顔の後ろには扉があり、耳に位置する場所には二つの窓がある。傘からは小さな煙突が伸びている。

「へぇ、まるで妖精とか小人のお家みたいだね」

 人面を気にしなければ、可愛くファンシーな家だ。

『それは、それは。光栄でございます、お客様。どうぞ、中へお入りください』

「へっ……」

 人面の口が動いて、言葉を発した。前言撤回、かなり気持ちの悪い家だった。

「えっと、君は……」

『私は、この家の執事であり、この家そのものでもあります、お客様』

 キノコは誇らしげに言った。誇らしげな顔も気持ち悪かった。

「……マーリンは、こんな魔法も使えるんだね……」

「そうでしょ、そうでしょ! 僕は天才でしゅ!」

 僕は嫌そうな顔で皮肉を言うのにも気がつかずに、マーリンは手を叩いて、自画自賛する。ちなみに、ルシファーとキリーは捕まえた怪鳥の丸焼きを頬張っている。

『ところで、ご主人様。私の名前を決めては頂けませんでしょうか?』

「うーん、そうでしゅね……」

 マーリンは腕組みをして名前を考える。

「これは、超~優れ物のキノコでしゅ。だから、名前はスーパーキノ…「却下!!」…」

 僕は彼の提案を途中でばっさりと切る。

 ルシファーが丸焼きから口を放して、提案してきた。

「じゃぁ、形が似ているから、ペニ…「もっと却下!!」…」

 僕は激しく否定する。そんな名前で呼びたくない!

「じゃぁ、ワタルは何が良いんでしゅか?」

 否定する僕に、マーリンが聞いてくる。

「えっと……、僕は……」

 僕はちょっと焦って考える。

「えっと……、キノコーン?」

「なんでしゅか? ちょれ?」

「ふん、エロいな……」

 二人もまた微妙な顔をする。

「なんで、キノコーンがエロいの?」

 なんだか凄く理不尽だ。僕はいじけて、キリーに話を振る。

「ねぇ、キリー。君はなんて名前が良いと思う?」

 キリーは最後の一口を頬張ってから、もごもご言った。

「もぐもぐ……、ごくん、……セバスチャン……」

「えっ、セバスチャン?」

「ん、……執事と言えば、セバスチャン……」

 なるほど、キノコからではなく、執事方面から攻めてきたのか。僕はキリーの答えに納得する。

 マーリンも手を叩いて、頷く。

「良いでしゅね! 『セバスチャン』。ファーストネームを『セバスチャン』、ファミリーネーム(家としての名前)を『キノコーン』にしてはどうでしょ? セバスチャン・キノコーンって、なんだか似合ってましゅね!」

『ありがとうございます。ご主人様とお客さま方。私は、セバスチャン・キノコーン。良い名前です』

 キノコが礼を述べる。嬉しそうな顔も気持ち悪かった。

 名前が決まった所で、マーリンがパンパン手を叩く。

「さぁ、みんな! 入ってみるでしゅよ!」

 マーリンが手招きして、キノコの家に興味津々の僕と、怪鳥を頬張るキリーとルシファーは家に入った。

「へぇ! なかなかな出来栄えじゃん」

 僕は感嘆の声を上げる。もちろん、一部屋しかないが、中央のテーブルと小さな台所、そして部屋につるされたハンモックがある。とってもファンシーなデザインだった。ちなみに、御通じや御小水は街の外に捨てに行くのがこの世界のエチケットで、部屋の隅に人が座れそうな壺が在る。

「ふあぁ~! 俺は少し横になる」

「…………」

 食事を終えたキリーとルシファーは、さっそくハンモックで眠る。

「ふふん。なかなか好評のようでしゅね」

 マーリンが椅子に腰をかける。僕も正面に腰をかけるが、マーリンの顔はテーブルに隠れ、彼の帽子だけがテーブルの上に覗ける。

「ふぅー。少し、体が休まるなぁ」

 僕は背もたれに寄りかかり、天上を見上げる。すると、部屋の中央の天上からぶら下がる、一本のひもが目にとまった。

「ねぇ、これって何?」

 まるで、部屋の明かりをつけるひもみたいだ。この魔法使いの家には、蛍光灯でもあるのだろうか?

「ま、待ちゅでしゅ!!」

「えっ?」

 マーリンが慌てて止めようとするが、僕はすでにひもを引っ張ってしまった。

「セバスチャン! 戸締りは大丈夫でしゅか!?」

『大丈夫です、ご主人様。このセバスチャン、抜かりはございません』

 セバスチャンの答えに、マーリンはほっと一息つく。

「えっと、何かまずかったの?」

「……あぁ、窓の外を見てみるでしゅ」

 僕が窓の外を覗いてみると、白い霧のようなもので覆われていた。

「何これ?」

「それは、セバスチャンの胞子でしゅ」

 目を丸くする僕に、マーリンは答える。小さな窓の向こうでは、周りにある木々が一斉に枯れ出したのだ。葉は茶色くなって枝から落ち、幹はしおれて地面に倒れそうである。草も茶色くなって枯れ、地べたが顔を覗いている。それが半径五十mに達しても、まだまだ影響が続いているようである。

「セバスチャンの胞子は猛毒で、十メートル以内にいるドラゴンもイチコロでしゅよ。窓やドアにわずかな隙間でもあれば、僕達も即死でしゅね。あっ! ちなみに、煙突など、ただの飾りだ! でしゅよ」

 こんなのと比べたら、人間の化学兵器なんてゴミの様だ。

「はぁ。なんで、こんなに強力なんだよ」

『お褒めに預かりまして光栄でございます』

「いや、褒めたわけでは……」

 セバスチャンが嬉しそうにするが、僕はげんなりしてくる。

「今日一日は、外に出られなくなってちまいましたが、問題はありましぇん。セバスチャンは自分でエネルギーを作る事ができ、僕らに御馳走をふるまう事ができましゅので、一週間は外に出なくても大丈夫でしゅよ」

「キノコは光合成できないはずだけどなぁ……」

 マーリンの言う事に僕は首をかしげる。

「さてと、状況も落ち着きまちたね」

「これって、落ち着いているのかなぁ?」

 木々は枯れ、鳥は墜ち、魔物達はひっくり返って行く。もし、これがRPGゲームならば、レベルアップのファンファーレが鳴り続けるだろう。それに、風向きが変わって、トンノ・ロッソ王国に胞子が流されれば、海の魔物以上の被害が生まれるのは確実である。

「おや、どうやらワタルしゃんは、魔物2千体を毒殺した事により、『毒の貴公子』の称号を得た様でしゅよ」

「なんだよ、その嫌な称号は? というか、称号なんて初めて聞いたんだけど、なんか意味あるの?」

 僕は眉をひそめる。

「ありましゅよ。魔物せん滅の依頼が増えたり、その依頼料に色がついたり、その道で開業する事ができましゅよ。称号を集めておいて、損はありましぇんねぇ」

 セバスチャンは天上から植物の根のようなものを伸ばし、テーブルにティーセットを用意する。

「なんだい? 能力が上がるとかさ、なんかないの?」

「おかしな事を言いましゅね? 有名な称号に『ドラゴンキラー』の称号がありましゅが、ドラゴンを殺せる能力があるから強いのであって、『ドラゴンキラー』の称号を手に入れたって強さは変わりましぇんよ。ただ、人間としてのブランドがつくだけでしゅ。まぁ、ようするに、その人が成し遂げた事や、その人が持つ能力を表すんでしゅよ」

 マーリンは椅子の上に立ち上がり、セバスチャンが入れたお茶に砂糖を山盛り入れる。

「ハぁ、英検や漢検と変わらないじゃん」

「えっと、あなたは、『逃走の韋駄天』とか、『危険への超感覚』、『逆境での強運』、『地空海を又にかける猟師』、『サルでもできる交渉術』など、レアでユニークな称号を沢山持っていましゅね」

 マーリンは、お茶をすする。

「最後のは、本の題名じゃないの?」

 なんだか、どの称号も名前からして微妙な感じがした。

「しかし、あなたには、何か隠れた能力があると思うのでしゅ。それが、僕の予知を妨げたと思われるでしゅ」

 マーリンは興奮して拳を握る。予知で失敗した事が、相当悔しかったみたいだ。

 ハンモックで寝ていたルシファーが大きくあくびをして、こちらを向いた。

「ふあぁ~! それは、ワタルの影が薄かっただけじゃねぇのか?」

「そうでしゅ! それなんでしゅ!」

 マーリンが大はしゃぎでしゃべる。彼の唾が僕の方に飛んできて、甘すぎる紅茶の薫りに僕は顔をしかめた。

「つまり、僕の影の薄さは、ある種の能力の現れって事?」

 マーリンが興味深そうに頷く。マーリンは椅子の上で帽子を脱ぎ、そこに手を突っ込んで水晶玉を取り出す。

「その可能性がありましゅ。それで、あなたを水晶玉で調べてみたいとおもいましゅ」

 マーリンは椅子の上でつま先立ちになり、水晶玉を抱えてテーブルに乗せようとする。

『あの、ご主人様。私がやりましょうか?』

 セバスチャンが心配な様子で、根っこをうねうねさせている。正直言って気持ち悪い。

「い、いいでしゅ。自分でやらなければ、雰囲気が出ないでしゅ」

 恐る恐る水晶玉を台座に乗せようとしている。

「あっ!!」

 派手な音をたて、椅子をひっくり返して転んだ。もちろん、水晶玉も割れた。

「イタタタ、お尻が痛いでしゅ」

「あらら、水晶玉が割れちゃった」

 水晶玉の残骸が飛び散っている。マーリンが破片で皮膚を切らなかったのは、せめてものの幸運である。

「仕方ありまちぇんねぇ。変わりに魔法のレンズを用意ちましゅ」

 マーリンはテーブルの上で帽子から大きめの虫めがねを取り出した。

「水晶玉も椅子の上ではなく、テーブルの上で取り出せばいいのに」

 僕は水晶玉の破片が床に飲み込まれて行く様子を見ながら言う。どうやら、セバスチャンが片づけてくれているらしい。

「では、さっそく占いまちょう!」

 マーリンがレンズをこちらに向ける。

「ねぇ、それって虫めがねに見えるけど、それで占えるの?」

「大丈夫でしゅ。魔法のレンズより水晶玉の方がカッコいいから使っていただけでしゅ」

 マーリン「まぁ」と言って続ける。

「何かを占う時は、何か物を通して見なくてはならないんでしゅ。」

「何か物を通す?」

 彼は頷く。

「占うべき相手が目の前にいる場合、水晶玉のように透明な物を通して見る事で、その相手の本質やその未来を見る事ができましゅ」

 マーリンが虫めがねで僕を見る。彼の目玉が大きく、その細かい光彩までが見えてしまう。

「そして、遠くにある物や、国や世界などの広い範囲においての未来は、鏡で自分を見る事で占うのでしゅ」

「自分を見る?」

 僕は首をかしげる。

「そうでしゅ。世界の一部である、自分という個を見つめる事で、全である世界を占うのでしゅ。夢で予言をする事はよくある事でしゅが、夢で自分を見つめる事で予言をするのでしゅ。占いに興味があれば、ひまな時にこの本を読んでみると良いでしゅよ」

 マーリンは帽子から、一冊の本を取り出して僕に渡す。

「ん? 『サルでも分かる占い入門書』?」

 本を受け取った僕は著者を確認してみると、『著;マーリン・エムリス』と書いてあった。

「君が書いたの?」

「そうでしゅよ。ベストセラーに選ばれた一冊でしゅ」

 マーリンが胸を張って、説明を続ける。

「つまりでしゅね、あなたを占うのにはガラス玉だって十分って事で、実は魔法のレンズもただのガラスでしゅ」

「じゃぁ、最初から虫めがねでいいじゃん。なんで水晶玉なんて使うんだ?」

「だから、カッコいいからでしゅよ。さっき言ったでしょ」

 マーリンは虫めがねをくるくる回して、手遊びしている。

「おい! 早く占えよ!」

 ハンモックで寝転がりながらこちらを見つめていたルシファーは、僕らの無駄話にしびれを切らしたみたいだ。

「そうでしゅね、さっそく占いまちょう!」

 マーリンは虫めがねを通して僕を見る。

『時と光の精霊よ! 我が前にありち者の、未来を見しぇよ!』

 マーリンが呪文を唱えた後、僕をじっと見る。僕が虫めがねを見ても、マーリンの目が大きく見えるだけだが、マーリンには何か見えているらしい。

「なんと……、すごいでしゅ……、うん、なるほど」

 虫めがねで覗くマーリンの瞳が大きく広がる。彼はしきりに頷きながら、僕を見つめる。

「……で、どうなの?」

「ふむふむ……」

 彼は頷いたままで、僕の質問に答えない。

「ねぇ、マーリンってば」

「…………」

 黙ったまま見つめるマーリンにいらいらしたルシファーは、ハンモックから飛び降りた。

「いい加減、目を覚ませ!」

 ルシファーが小指でデコピンする。

「痛いでしゅ!」

 マーリンが椅子から転げ落ちて、額を押さえる。

「とっとと、結果を言え!」

「わ、わかったでしゅ! 今すぐに言いましゅから!」

 マーリンは額をさすりながら、椅子に座る。

「では、結果を言いましゅ」

 マーリンは目を鋭くして、占いの結果を話し始める。デコが真っ赤になっているので、いまいち締まらない。

「あなたの持つ称号は『忘却されし影』でしゅ!」

「ぼ、忘却されし影?」

 マーリンの言う称号に、僕は首をかしげる。

「気に入りましぇんでしたか? なら、『過ぎ去りし影』や、『闇夜の影』とかはどうでしゅ? けっこう、カッコいいと思うのでしゅが」

「えっと、君が名前を考えているの?」

「そうでしゅよ。称号はその人の能力にちなんで付けるものでしゅからね」

「つまりだ……」

 ルシファーが椅子に座った。

「ワタルの影が薄いって事だろう」

 二人して僕の影の薄さを熱心に語る様子に、僕は涙をこぼしそうになる。影が薄いだなんて、親父にも言われた事無いのに!

 じっと涙をこらえる僕を余所に、マーリンが語る。

「しかし、ただ影が薄いってわけではありましぇん」

 マーリンが腕でペケ印を作る。

「ワタルの影の薄さは、ミラクルでしゅ。まず一つ、ワタルは魔物に気が付かれにくいので、魔物に遭遇しにくいです」

「なるほど、どうりで遭遇する魔物が少ないと思ったぜ!」

グサ!!

二人の会話が僕の心に突き刺さる。

「二つ目、気配を悟られないので、魔物に先制攻撃が成功しやすいでしゅ!」

「そうなのか? まぁ、ワタルはチャンスが来ても、おじけて先制攻撃失敗しているだけかもなぁ」

 グサ!

 僕の足がふらつく。

「三つめ、意識から外れやすいので、感知・探索の魔法や、予言・遠見の魔法を阻害できましゅ!」

「お前の予言の時も、霧で隠れてしまっていたよな?」

 グサグサ!!

 僕は床に手をつく。

「そして、一番すごいのは四つ目でしゅ!」

「そ、その四番目は良い物だと嬉しいんだけど……」

 僕の心は瀕死のダメージを負っている。これ以上、心に傷を負えば、僕は立ち上がれなくなってしまう。

「すごいでしゅよ。自信を持って良いでしゅよ」

 マーリンがもったいぶって話す。

「あなたの持つ能力は、全属性魔法を結構優位に使えることでしゅ」

「結構優位に使える?」

 マーリンの言葉に僕は首をかしげる。

「いいでしゅか、魔法とは、自分のエネルギーを精霊に送り、精霊の力をこの世に呼び込む事で使いましゅ。そして、基本的に精霊は自分の力を勝手に使われる事を嫌い、僕らの呪文に抵抗しましゅ。中には例外もあって、精霊に好かれて力を貸ちてもらえる人もいましゅが、その場合は必じゅ、それと対をなす精霊との相性が最悪になりましゅ。例えば、火と水みたいなのでしゅね」

「でもさ、僕は影薄いんでしょ? 精霊との相性がいいとは思わないけど……」

 僕が疑問を口にすると、マーリンが指を差した。

「そう! そこでしゅ! (ちみ)の影が(うしゅ)いので、精霊は自分の力を使われても気づかず、呪文に抵抗できないのでしゅ! いわば、精霊の力を盗みまくりでしゅ!」

 ズドーンという擬音語が似合いそうなドヤ顔で、マーリンが説明する。彼の説明を聞いて、僕は新たな疑問が浮かんでくる。

「でも、城で一生懸命に修行したけど、たいした魔法を使えなかったよ?」

「それはでしゅね。おそらく、君には素質があっても、センスがないんでしゅよ」

「は? どういう事? 素質があって、センスがないって、矛盾しているじゃん」

 僕は痛めそうなまでに首をかしげる。

「つまりでしゅね。どれ程良い剣を持っていても、それを扱う技術が駄目ダメって事でしゅよ」

 なるほどと、ルシファーが手を叩いて、マーリンの言葉をかみ砕く。

「どれ程大きな物を持っていても、女を口説くのが下手くそって事か! そりゃ、宝の持ち腐れだな」

 マーリンとルシファーが顔を見合わせて笑う。

 マーリンは僕の能力を凄い凄いと言っているけど、僕の能力って結局……、

「微妙~!!」

 僕は迷いの森の中心で、不満を叫んだ。


「はい! 学校のテストは、赤点を取らないが目標のワタルです。今回で勇者としての、眠れる能力が現れると思ったのに、微妙な結果でした。これで、魔王を倒せるのかなぁ? これは、まだ見ぬ聖剣に期待するしかない! それも微妙だったら、困るけど……。まぁ、後の事は後で悩むとしましょうか。波乱万丈、奇奇怪怪! 次回をお楽しみに! さっそく、飛空挺らしきものを手に入れるかも!!」

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